「3億円タワマン」の下に経営難に陥る創業130年の下駄屋がある街「月島」 新住民と旧住民の間にある"大きな経済格差"によって見えた深い分断

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東京メトロ月島駅(中央区月島1-3-9)を出て、人の流れに乗り、歩いていると、西仲通り商店街にたどり着いた。ここは50軒以上のもんじゃ焼き屋が並ぶ「もんじゃストリート」としても有名だ。

もんじゃだけじゃない、もんじゃストリート

通りは月島駅側から壱番街、弐番街と並び、四番街まである。もんじゃ焼き屋で埋まっていると思ったら大間違いで、この商店街には洋品店、クリーニング店、スーパーマーケット、銭湯、書店、履物屋などなど、多くの商店が並ぶ。

案内板
西仲通り商店街の案内板。もんじゃ焼き屋以外にも多くの業種が並んでいる(筆者撮影)

歩道を含めた通りの広さは10メートルほど、広すぎず狭すぎない。こっちの店を見ながら、あっちの歩道が気になれば道を渡ってさっと覗ける。車道と歩道がきっちり分けられているので歩きやすいのもいい。

西仲通り商店街
西仲通り商店街。この広さがちょうどいい(筆者撮影)

もんじゃ焼き屋も当然気になるが、まず目にとまったのは下駄専門店の「あづまや履物店(中央区月島3-17-10)」だ。店主の楠香一さん(72)はこの道50年以上のベテランだ。

「この店はね、私で四代目です。チクトウした当初から店はあったというから、もう130年以上だね」(楠さん)

楠香一さん
あづまや履物店のご主人 楠香一さん。鼻緒のすげ替えを実演してくれた(筆者撮影)

楠さんの言うチクトウとは、「築島(ちくとう)」、つまり埋め立てによって月島地区ができたころから店があるということだ。

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