
eビターラは、とても筋肉質なデザインだ。とはいえ筋骨隆々ではなく、いわば細マッチョ的なまとまり感のあるシャープな印象。実際、ボディサイズはコンパクト~ミドルクラスの中間に位置する。
全長4725mm、全幅1800mm、全高1640mm、ホイールベース2700mm、トレッドは前後とも1540mm、タイヤサイズは225/55R18。車両重量は最軽量モデルで1700kg(FF方式の49kWh)~1890kg(4WDの61kWh)まで。乗車定員は5名。

「BEVの先進性と力強さを目指した」(スズキ開発者)の言葉どおり、各部のLED灯火類は形状だけでなく光量配分もデザインされ、炎天下の直射日光でも被視認性がとても高い。
“BEVらしさ”を過剰に主張していない点も筆者には好意的に映った。いわゆる環境対策車を想起させるため、淡いブルーやグリーンを各部に配したモデルはいくつか残るが、eビターラはそういったアースカラーに頼ることなく終始一貫「スズキデザイン」で勝負した。唯一、eビターラのエンブレムの「e」がライトブルー基調だが主張はごく控えめだ。
使いやすさを優先したインテリア

さっそく、乗り込む。車内のデザインは外観同様、前衛的かつ攻めた造形で大いに気に入った。凝りに凝った各部の形状で構成するのではなく、平面で光の反射を活かすところ(例/シフトダイヤルまわり)、立体造形で奥行きを見せるところ(例/縦型エアコンルーバー形状)、形状に工夫を凝らして使いやすさを打ち出したところ(例/シフトダイヤル本体)が整理整頓されている。うまい交通整理だ。
TFT液晶は10.5インチ(タッチパネル操作可)だが、画面の配置と表示内容が絶妙で使いやすい。まずドライバーと液晶パネルの位置が近くてタッチパネル操作がしやすい。そして、表示には読みやすい(運転中でも判読しやすい)フォントを使い、かつ文字列の並びが密集していないので、運転中に路面からの影響を受け上下左右に身体が動いても、狙いどおりのボタンに一発でタッチできる。
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