中国は台湾の歴史に無知、独立か否かは台湾が選ぶ--陳菊・台湾高雄市長/民進党代理主席
たとえば、日本では冬に生産が難しいレタスでも台湾なら生産できる。日本には四季があるので一時的にしか作れないものがあるが、台湾は一年中天候がよく栽培が可能だ。日本のニーズを教えてくれれば、日本向けに多くの野菜を作っていきたい。それも短期ではなく、長期的にやっていきたい。白玉大根のような台湾独特の野菜も、日本人の口には合うはずだ。機会があれば、日本に輸出したい。
--日本への輸出が増えないのは、日本の規制が厳しいためでしょうか。
陳 それは違う。日本は自分たちの農民を守りたいからだ。それは、十分理解できる。日本は海外の農産物という理由だけで、規制を必要以上に厳しくしたりはしない。つねに日本国民の健康を考え、品質管理水準が高いためだろう。また、輸出可能な品目は国内だけでは足りていないものに絞り、広げる可能性は少ないと見ている。
張 それでも、自由貿易の時代でもあり、日本が要求する品質に到達できれば、台湾産の農産品も日本に受け入れてもらえると考えている。中国向けのように、一時的な政策的理由での輸出は、われわれが求めている姿ではない。
より長期的に、野菜の品質に重点を置いた経済的な取引をしたい。海外輸出用の生産地域をすでに設けており、日本用として専属で生産するというアイデアもある。
農業貿易によって、今後もっと安定した関係を築き上げたい。台湾は長期的に、日本が受けた震災の影響を考えながら、安全な野菜の供給を支えることができる。何が必要かはっきりすれば、政府レベルで専門の生産地域を設けてあるので、農民に日本向けの農産品を作ってもらうこともできる。日本が求める品質のものをどんどん作っていける。
--他のアジア諸国と比べても、台湾の農産品は自信がありますか。
張 台湾が一番だ。私は女性でもあり、特に食の安全性を人一倍重要に考えている。基準に達しないものは、自分たちの看板を壊すことにもなるから。
--逆に、中国大陸へ売り込む可能性はありますか。
陳 大陸の南部は台湾と気候が似ており、農業スタイルも非常に似ている。また、大量生産も可能だ。一方、台湾は独自の農業技術を大陸に伝えてきたし、かつ独特な農産品も多い。そのため、大陸にも輸出したい。
だが、中国は政治的な、一時的な判断で台湾の農産品を購入している。国民の生活必需品としては買ってくれないということだ。われわれは、世界中に輸出する際、政治的な理由ではなく、品質がよいものとして台湾の農産品を広めていきたい。