「センス良すぎる」と称賛殺到のオリックス・バファローズの広報。「オリ姫デー」「キングオブコンビ」など大ヒット企画はいかに生まれたか

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「これまで夏休みをテーマとしたポスターとして、選手がスイカやソフトクリームにかじりついているビジュアルなどを作ってきたのですが、もう一捻りほしいなと……。

そこで、世の中で“コンビ売り”が流行っていることに目をつけたんです。宮城大弥と紅林弘太郎のコンビに対して、ファンが“みやくれ”と呼んだり、杉本裕太郎と福田周平で“ラオ福”と呼ぶような盛り上がりもネット上で目にしていましたし、それをビジュアルに落とし込んだら面白いんじゃないかと。

そこで、多くのお笑いコンビの写真が掲載されている『お笑い賞レース』の絵が頭に浮かんだんです。Bsオリ姫デーとはトーンが真逆のビジュアルのポスターになりましたし、そういった振り幅の大きさをファンの方々やメディアの方々に楽しんでいただけたと感じています」(後藤氏)

オリックス・バファローズ
福田周平選手と杉本裕太郎選手は背番号(当時)にちなんで「ワンハンドレッド」に/©ORIX Buffaloes
オリックス・バファローズ
宮城大弥投手と紅林弘太郎選手は「ベニボウズ」/©ORIX Buffaloes
オリックス・バファローズ
「無敵の中川」こと中川圭太選手と、鉄壁のサード守備で知られる宗佑磨選手は「むてっぺき」に/©ORIX Buffaloes

「キングオブコンビ」のユニークなポスターは野球ファンのみならず、多くの人々がSNSで拡散。オリックスの新規ファン獲得に寄与した印象が強い。反響は想定していた以上に大きかったようだ。

「コンビ名やカップリングする際の意図だったりがどこまでファンの方々に伝わるかなと思っていたのですが、そこをすべて拾い上げて反応してくれたりしたので、もう本当にありがたかったです」(後藤氏)

キャッチャーミットをつけた選手が蝶ネクタイをするユニークなコーディネートや、選手同士の関係性が伝わってくるようなコンビの表情の作り方など、ディテールを追求する姿勢がファンに響いた。

選手の熱量もトップクラス

ただ、広報宣伝部の熱量だけではファンの心をつかむのは難しい。やはり主役となる選手の熱量も大切な要素だ。オリックスは選手が前のめりに取り組んでくれるという。

「うちの選手たちのサービス精神の旺盛さは、12球団でもトップクラスだと自負しています。選手たちがいろいろと協力してくれるのは本当に大きいです」(後藤氏)

後編では、これまでに実施してきた“球界初”の取り組みや今後の展望などを聞いている。 

浜田 哲男 スポーツライター

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はまだ てつお / Tetsuo Hamada

千葉県出身。専修大学経済学部を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・SPプランナーおよびライター業を経て起業。プロモーショナル・マーケター認証資格取得。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、『Sportiva(スポルティーバ)』『週プレNEWS』(集英社)、『日刊SPA!』(扶桑社)など複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。千葉ロッテマリーンズが誕生した1992年より、地元民として応援し続けている。Xアカウント:@buhinton

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