「センス良すぎる」と称賛殺到のオリックス・バファローズの広報。「オリ姫デー」「キングオブコンビ」など大ヒット企画はいかに生まれたか
「3連覇のうち最初の2年はコロナの影響もあって、優勝した効果を十分に発揮することができなかったんです。ただ、たまっていたものが2023年はボーンっと弾けたのか、入場者数が一気に伸びました。『Bsオリ姫デー』などは告知ビジュアルに対しての反響が大きかったですし、関連グッズの売れ行きもよく、手ごたえを感じました。それまで野球に興味がなかったようなライトなファンの方も増えたと思います。
ただ、これらの企画がそのままストレートにチケットの販売につながっていたのかどうかは定かではありません。我々がいえることは、集客の後押しはできたかな、というくらいです」(花木氏)



近年ファンが増加傾向のなか、女性ファンの比率の伸びが顕著。特に20代の女性ファンの割合が増えているという。Bsオリ姫デーを継続(2015年からスタート)してきたことなど、これまでの努力が実を結んでいる形だ。
「オリックス・バファローズのファンクラブ『BsCLUB』の女性会員の割合は、コロナ禍前の2019年は約25%でしたが、2022年には約30%程度、2023年には約36%、2024年には約40%に年々増加しています。なかでも20代の女性会員が2023年から2024年にかけて伸びていて、2019年と比べると約3倍増えています」(西田氏)
「3連覇の影響がすごく大きかったと思いますし、Bsオリ姫デーをくじけずにやり続けたのが僕らのいい部分だったのかもしれません」(花木氏)
選手のプライベートな素顔が堪能できる動画など、ほかでは見られないコンテンツが好評な公式エンタメ有料サイト『BPB DX(バファローズプレミアムボックス デラックス)』も、女性ファンの獲得に一役買っているという。
しかし、成績が低迷する時代は、ファンの獲得に苦労していた。
「今でこそ多くのファンの方々に恵まれていますが、どうすればファンを増やせるのかと苦労していた時代もありました。なかなかメディアにも取り上げてもらえないような状況が続いていましたし……。
ただ、今はYouTubeをはじめSNSを使って自分たちで発信できるじゃないですか。オリックスには魅力のある選手が多いので、なんとかその魅力をファンの皆さまに伝えていこうという考えが、『BPB DX』にも反映されていると思います」(後藤氏)
ディテールを追求する姿勢がファンに響いた
2023年には、お笑いコンビからヒントを得た「キングオブコンビ」という夏のポスターを展開。
山本由伸選手(現ロサンゼルス・ドジャース)と頓宮裕真選手の岡山県備前市の実家が隣であることから、「おとなりさん」という実際にありそうなコンビ名を付けるなど、一歩踏み込んだエンタメ性が話題となった。
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