そもそも、ネモさん一家は月々の生活コストも低く抑えられている。通信費はスマートフォンとWi-Fiを合わせて2人で9000円。高値が続く米は農家の実家が無料で送ってくれるといったラッキーな面はあるが、一家3人の食費は外食も含めて5万~7万円。太陽光発電を導入しているため、夏場の電気代は高くても数千円という。
雑貨費に1万~5万円と幅があるのは、コンタクトレンズなどの生活必需品を安い時にまとめ買いして保管するようにしているからだ。
といっても、ネモさんの消費スタイルは「安ければいい」というものではない。むしろ、「家族の健康を考えると農薬などの不安がある外国産の食材は使いたくない。毎日使うシャンプーやトリートメントも『これじゃないとダメ』というのがある」と、質にこだわるタイプだ。
取材中にも「節約のために生活レベルを落としたくない」と何度か口にした。
子供が幼い頃は家の中にモノが多くなりがちだが、「家がゴチャゴチャするのは嫌なので余計なモノは買わない。耐久材はいいモノを選んで長く使いたい」とネモさんは言う。いずれパートになれば収入は大きく減ることになるため、値の張る家具や家電は今のうちに買い揃えておきたいと考えている。近年はインフレの進展が著しいことから、「早いうちに買った方がお得」という思いもある。
結果的に、家具の買い替えなど大きな買い物をする際にはネモさんが夫をリードすることが多いという。
堅実に貯蓄し、余裕資金で投資を楽しむ
ネモさんに言わせると、夫は「医療の仕事が大好きで、収入度外視で働いている」。資産形成への関心がそれほど高いわけではなく、院卒で奨学金の返済も残っていることから、貯蓄残高は50万円ほどではないかという。
一方、ネモさん自身が貯蓄に熱心なのは、「甘えん坊の長女とできるだけ一緒にいてあげたい」という切実な理由があるからだ。「専門職なのでパートで午前勤務にしても年収200万円程度は確保できそう。その収入で今まで通り生活費を折半していくには1000万円程度の貯蓄が必要になるんです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら