【デボネア、ギャランGTO、ギャランΛ、ディアマンテ】時代に先駆けたデザインや機能でクルマ好きを魅了した三菱自動車の名車たち
たとえば、日本車初の角型4灯ヘッドライト。これは、当時のアメリカ車に導入されたばかりの新規格をいち早く取り入れたもので、世界のトレンドを敏感にキャッチすることで、従来にない存在感を演出した。また、車体前部の長く傾斜した「ロング&スラントノーズ」、リアウィンドウの範囲をサイド部まで回り込ませた「ラップアラウンド・リヤウィンドウ」なども採用。ほかにも、内装に1本スポークタイプのステアリングホイールを装備するなどで、従来にない個性的なスタイリングを実現していた。
なお、エンジンは当初2.0Lのみだったが、のちに1.6L、2.6Lも追加。また、面白いエピソードとしては、海外では「三菱サッポロ」の名称で販売されたことだ。これは、1972年に開催された札幌オリンピックのときに、「サッポロ」の名称が世界中に知られたことが理由だという。国産車の国内仕様と海外仕様でネーミングが違うことはよくあるが、日本の地名をそのまま車名にしたというのはかなりレアなケースかもしれない。そういった意味でも、ギャランΛは、まさに「独創的なクルマ」だったといえるだろう。
1990年発売の「ディアマンテ」

三菱初の本格的ワイドボディを採用した高級4ドアセダンが1990年発売の「ディアマンテ」だ。当時の3ナンバー車は、5ナンバー車と比べ自動車税が格段に高かったことで、高級車の代名詞だった。だが、1989年4月の税制改革により、自動車税の制度が大きく変わり、3ナンバー車に対する税負担が大幅に軽減された。この動向により、当時、トヨタ「セルシオ」や日産「シーマ」、ホンダ「レジェンド」など、国産高級セダンのブームが起こったが、その立役者の1台といえるのがディアマンテだった。
全長4740mm、全幅1775mmの余裕あるボディは、ゆとりはあっても大きすぎないほどよいサイズ感を意識して開発。派手すぎない程度に立ち上がったリアフードのダッグテール、メッキパーツで高級感も演出したフロントグリルなどを採用。存在感と柔らかな深みが醸し出されたフォルムを外観の特徴としていた。
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