【デボネア、ギャランGTO、ギャランΛ、ディアマンテ】時代に先駆けたデザインや機能でクルマ好きを魅了した三菱自動車の名車たち
ポニーカーとは、若者や女性をターゲットにした比較的安価でコンパクトなスポーツクーペのこと。同時期のアメリカでは、6.0Lを超える大排気量のV型8気筒エンジンを搭載する2ドアクーペの「マッスルカー」も人気だったが、ポニーカーはその小型版といった位置づけだ。いわゆるポニーカーの代表格には、フォード「マスタング」やGMのシボレー「カマロ」、クライスラーのダッジ「チャレンジャー」などがあり、当時いずれも大ヒットを記録。今でも多くのファンを持つ名車たちといわれている。
そんなポニーカーのテイストを投入したのがギャランGTOだ。車名のGTOは、イタリア語の「Grand Tourismo Omologare」の頭文字で、「GTカーとして正式に承認されたクルマ」といった意味を持つ。まさに、生粋のスポーツクーペであることを強調した車名を冠していたのだ。
国産車初のダックテールを採用

そんなギャランGTOの大きな特徴は、フロントフードなど車体前方が長く、リアのトランク部が短い「ロングノーズ・ショートデッキ」というスポーツカーの定番的なシルエット。また、フロントには、クロームメッキのセンターグリルと、丸目4灯ヘッドライトをマッチングさせて、力強い顔つきを演出する。
そして、最も当時注目されたのが、それまでの量産スポーツクーペにはなかった「ダックテール」。これは、リアフードの後端が跳ね上がったボディ形状などを指し、まるでアヒルの尾のように見えることでついた名称だ。レーシングカーなどに採用されることも多いこのデザインは、空気抵抗を減少させ、高速時に車体の浮き上がりを抑える効果を実現する。加えて、リアやサイドのシルエットに、スポーティかつダイナミックなテイストを加味することにも貢献する。ちなみに、ギャランGTOの発売当時のキャッチコピーは「ヒップアップクーペ」。国産初のダックテールを採用したモデルであることを前面に押し出したワードを用いていた。
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