【デボネア、ギャランGTO、ギャランΛ、ディアマンテ】時代に先駆けたデザインや機能でクルマ好きを魅了した三菱自動車の名車たち
このモデルで注目なのは、三菱が徹底的にこだわったデザインが外観に反映されていることだ。当時、自社のデザインに関するノウハウが世界レベルに及んでないと判断した開発陣は、デザインの開発担当者として米・ゼネラル・モーターズ(以下、GM)社のハンス・プレッツナー氏を招聘。GMを休職し来日したプレッツナー氏にデザインを全面的に任せるとともに、実物大のクレイモデル(特殊な粘土で作った模型)など、世界的に最先端だったアメリカのカーデザイン手法なども取り入れることとした。

その結果、生まれたのが初代デボネアだ。前後フードの左右サイドには、まるでフィンのような形状の立体的なボディラインを形成し、横型4灯式ヘッドライトやL字のリアコンビランプなども採用。当時、世界の高級車で最新といえるアメリカ車のトレンドを数多く採用しつつ、全幅を1690mmに抑えることで、大柄なアメリカ車とは違うコンパクトな日本車的サイズも実現する。三菱によれば、その後、三菱車のデザインに多くの影響を与えたクルマがデボネアだったという。
ちなみに、デボネアの愛称は「走るシーラカンス」。理由は、1964年のデビューから1986年に登場した2代目「デボネアV」までの22年間、基本設計やデザインを変えなかったためだ。古生代からほとんど姿を変えず存在し、「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスに例えられたのは言い得て妙。だが、それほど初代モデルは完成度が高かった証でもあるといえる。最終的には、1999年の3代目モデル終了まで存続したデボネアは、まさに一時代を築いた名車の1台だといえるだろう。
1970年発売の「ギャランGTO MR」

1960年代後半から1970年代にかけて、アメリカで人気を博した「ポニーカー」のスタイルを取り入れたスポーティなクーペモデルが、1970年に登場した「ギャランGTO」だ。
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