【デボネア、ギャランGTO、ギャランΛ、ディアマンテ】時代に先駆けたデザインや機能でクルマ好きを魅了した三菱自動車の名車たち

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フロントフェンダーのドア前あたりには“MR”のエンブレムが輝く
フロントフェンダーのドア前あたりには“MR”のエンブレムが輝く(筆者撮影)

また、今回のイベントに展示された「MR」グレードは、1.6L・4気筒のいわゆる「ニューサターン」エンジンを搭載した初のモデルだ。125PSを発揮したこのDOHCエンジンは、同じ年にデビューしたトヨタ「セリカ(初代)」が搭載した1.6L・DOHCエンジンの115PSを上まわるパワーを実現。「大パワー=高性能」といった意識の強かった当時のスポーツカーファンにとって憧れの存在だった。

なお、グレード名のMRは「MITSUBISHI RACING」の略。まさに三菱の高性能モデルであることの証で、以後、三菱の最高峰スポーツモデル(GTO、ランサー、ランサーエボリューションなど)に与えられる称号として受け継がれている。

1976年発売の「ギャランΛ(ラムダ)」

1976年12月発売のギャランΛ
1976年12月発売のギャランΛ(筆者撮影)

トヨタ・セリカや日産「シルビア」、ホンダ「プレリュード」など、1970年代や1980年代に人気を博したスペシャリティカーの三菱版といえるのが、1976年に登場した「ギャランΛ(ラムダ)」だ。

スペシャリティカーとは、大衆車のメカニズムをベースに、スポーティなデザインのボディを採用し、比較的手の届きやすい価格を実現したモデルなどを指す。とくに日本では、カップルがドライブデートするイメージから「デートカー」とも呼ばれ、若者を中心に一世を風靡したジャンルだ。

なかでもギャランΛは、同じ1976年に発売された4ドアセダン「ギャランΣ(シグマ)」とシャーシ・コンポーネントを共用した兄弟車として登場。ネーミングには豪華さを表す英語「ラグジュアリー(luxury)」にちなみ、ギリシャ文字で「L」に相当する「Λ(ラムダ)」のサブネームを与えられ、高級モデルであることを強調した。

ギャランΛのリアビュー
ギャランΛのリアビュー(筆者撮影)

発売当時のキャッチコピーは「ハードトップでもない、クーペでもない」。ハードトップは、センター(B)ピラー(いわゆるサイドの窓枠)がないか、または目立たないデザインで、クーペのようなスタイリッシュさを演出した4ドアセダンなどを指す。一方、クーペは、車高が低く、スタイリッシュなデザインの乗用車で、2ドアや3ドアはもちろん、4ドア車でもスポーティなフォルムのクルマが多い。いずれも、当時の日本車で人気のジャンルだったが、ギャランΛは、それらのいずれにも該当しない独特のデザインを目指して開発された。

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