猛虎復活は「鉄人」の思い切りに掛かっている 阪神は生え抜きへの固執を捨て、賭けに出た
プロ野球界"人事の秋"。今年は巨人、阪神といった東西の両人気球団で交代劇が行われるという、異例のシーズンオフになった。
今回、阪神が第33代監督に迎え入れたのは金本知憲氏。47歳。10月19日に大阪市内で行われた就任会見では「不安と希望が入り交じっている」と正直な心境を語った。
「本当に結構悩んだんですけれど、球団をはじめフロントの方々から1回壊してでも立て直したいという熱意を受けた。それが意気に感じました」
シーズン終盤の失速はいつもの光景
知名度か、指導者経験か――。チーム組織のトップに立つ監督を選任する際の永遠のテーマ。これまでの阪神は、現場でコーチなどの下積みを経験した生え抜きに固執してきた。
球団史上、専任で指導者経験のないまま監督に就くのは、1975年(74年オフ就任)から指揮をとった吉田義男氏以来。40年ぶりのことになる。それを考えると超異例の人事だ。阪神は生え抜きOBでなく、しかもあえて指導者経験のない金本氏の招聘に踏み切ったのだから。
振り返ると、今期の阪神は大方の野球評論家による開幕直前予想で1位か2位だった。しかし最終的には3位の大外れ。他球団と比べても見劣りしない戦力を抱えながら、2005年以来10年間優勝から見放された。
4年目だった和田監督の今シーズンは、8月28日時点で2位ヤクルトに3ゲーム差をつけて首位に立っていたが、9月になって転落し、そのまま3位に急降下した。シーズン終盤の失速は毎度の悪例になった。
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