英Nothing、最新スマホ「Nothing Phone (3)」で“光る背面”を廃止。新たに搭載したGlyph Matrixと独自OSで他社との差別化を図る

また、背面のデザインも特徴的だ。一般的なスマートフォンは背面のカラーを変えたり材質を変えることでバリエーションを展開しているが、Nothing Phone (3)は背面デザインそのものに独特のテイストを与えている。背面には縦横に等間隔で配置されたラインや、丸型のカメラモジュール、円形ディスプレイ、タッチ式ボタン、さらにワンポイントとなる小さな赤いLEDライトなど、個性的なパーツがバランスよく配置されている。
さらにNothing Phone (3)はスマートフォンの新たな表現領域を切り拓いた。背面右上に搭載された小型のモノクロドットマトリックスディスプレイ「Glyph Matrix(グリフマトリックス)」だ。モノクロ表示という制約がありながらも、通知や時計、アクセサリ感覚で楽しめるミニゲームなどをグラフィカルに表示し、これまでのスマートフォンにはなかった利便性や楽しさをもたらしている。Glyph Matrixのライトの点滅アニメーションという表現は、最先端のテクノロジーというわけではないが、その発想と実装は極めて独創的だ。
唯一無二の製品に拘ったNothingの製品開発
Nothing Phoneはこれまでも世間をあっと言わせる機能を搭載してきた。それらはGlyph Matrixのように技術的にはシンプルなものだが、アイディアとセンスで新しいものに作り上げてきたのだ。その代表例がNothing Phoneの歴代モデルに搭載されてきた「Glyph Interface(グリフインターフェース)」である。「Glyph Interface」はNothing Phoneの背面に埋め込まれた白色のLEDライトで、円形に配置されたライトが通知などに合わせて点滅する。
2022年に発表されたNothing初のスマートフォン「Nothing Phone (1)」はこのGlyph Interfaceの搭載で衝撃的なデビューを果たした。スマートフォンでは通常注目されにくい背面を通知パネルとして活用し、さらに高いデザイン性を実現したことで、既存のメーカー製品とは一線を画す独自性を強く印象付けたのだ。Nothing Phoneイコール「光るスマホ」という印象も広く知らしめた。スマートフォンには保護ケースを付けて使うことが一般的だが、Nothing Phone (1)の背面を見せるために、あえてケースを付けず使用するユーザーも多く見られた。

Nothingを率いるCEOのカール・ペイ氏はNothingを創業する以前もスマートフォンメーカーで開発からマーケティングを手掛けてきた。前職のOnePlus社時代はハイスペックかつクールなデザインのスマートフォンを送り出し、例えば北米市場では知る人ぞ知る製品として人気となった。スマートフォン系のインフルエンサーやユーチューバーがこぞって同社製品を使っていたほどだ。
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