“仲間探しオーディション”で「タイプロ」が大ヒットも、《新生timelesz》が仲間よりも“家族”を打ち出しているワケ

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天然キャラの猪俣周杜は、空気を読まないフリがうまい。実はとんでもなく周りを見ている努力家だが、一方で自分の悩みは周りに見せない点が、佐藤勝利とどこか似ている。今は不思議な言動ばかりが注目されるが、佐藤からセンタースピリッツを学び、大きく花咲く日も近いだろう。

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猪俣周杜(写真:timelesz公式サイトより)

メンバーの中で唯一学生の篠塚大輝。彼の真面目さ、体育会系の礼儀正しさは、Sexy Zone時代から積み重ねた13年のキャリアをまっすぐに受け継ぐ「王道の新人感」がある。忠実で熱血な性格は、昭和の刑事ドラマの新人刑事を思い出す。

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篠塚大輝(写真:timelesz公式サイトより)

そして、未知数なのが原嘉孝。寺西と同じく俳優として長いキャリアがあり、オーディション中は、とても頼れる兄貴だった。ところがメンバーに昇格した今は、芸能界の経験がない3人よりも、社会人1年生を思わせる。

パフォーマンススキルはさすがだが、トークで「役に立ちたい、立たねばならない」という焦りが見え、それを隠せていないのがとても初々しい。

ヒヤヒヤするが、初心を思い出させてくれる人である。timeleszの鮮度は、彼が左右するかもしれない。どれだけグループが売れても、ヘンに器用にならないでほしいと願う。

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原嘉孝(写真:timelesz公式サイトより)

長くなっていく「アイドル」の賞味期限

令和がグループアイドルに求めるのはヒリヒリとした競争意識よりも「仲のよさ、やさしさ」である。

1990年代のオーディション番組「ASAYAN」では、どのオーディションでも、出演者同士はライバルであり、蹴落とすべき存在だった。視聴者はその“メラメラ・ギラギラ”感に萌えたものである。堂々と「メンバーは友達ではない」と言い切るスタンスだったが、今は違う。オーディションという「運命ガチャ」でできたコミュニティに、私たちはビジネス以上の絆を求める。

タイプロは、オーディションの段階から、お互いにアドバイスをし、支え合う姿が見られた。マンガ『ONE PIECE』のように、違う個性と才能を持った仲間が集まり、お互いをよく魅せようとし、新たな景色を見せてくれた。

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