幼少期から刷り込まれる「石の上にも三年」の呪縛…なぜ人間だけが"やめる"ことに罪悪感を覚えるのか
先に紹介した『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』には、「忍耐が大切」という考えがアメリカ人の心にも植え付けられているということが書いてあります。
アメリカ人にも深く根付く「忍耐が大切」という考え
アメリカは、もともとネイティブ・アメリカンの住む土地でしたが、英国からやってきた人々によって開拓され、のちに建国されることになりました。
開拓時代を経て、アメリカ合衆国建国に至るまでに、黎明期のアメリカ人たちは「忍耐が大切」という考え方を定着させていったのです。忍耐力がなければ、とてもではありませんが、あれだけ広大な土地を開拓することは不可能だったでしょう。
そして、アメリカ人の多くが信仰するプロテスタントでは、労働を善とする倫理が説かれていることから、その考え方も深くアメリカ社会に浸透していったのです。
また、アメリカ人に「忍耐が大切」という考えが深く根付くに至ったのには、19世紀半ばのアメリカでサミュエル・スマイルズによって書かれ、大ベストセラーとなった自己啓発本『自助論』の影響も大きいとケラーは書いています。
スマイルズは、同書のなかで、「忍耐力こそが最も大切なことであり、それなしでは幸せな生活など送ることはできない」という考えを説き、アメリカで爆発的な人気を博したのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら