幼少期から刷り込まれる「石の上にも三年」の呪縛…なぜ人間だけが"やめる"ことに罪悪感を覚えるのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

先に紹介した『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』には、「忍耐が大切」という考えがアメリカ人の心にも植え付けられているということが書いてあります。

アメリカ人にも深く根付く「忍耐が大切」という考え

すべてやめれば、うまくいく: 自分の時間を取り戻すための最高の習慣
『すべてやめれば、うまくいく: 自分の時間を取り戻すための最高の習慣』(Gakken)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

アメリカは、もともとネイティブ・アメリカンの住む土地でしたが、英国からやってきた人々によって開拓され、のちに建国されることになりました。

開拓時代を経て、アメリカ合衆国建国に至るまでに、黎明期のアメリカ人たちは「忍耐が大切」という考え方を定着させていったのです。忍耐力がなければ、とてもではありませんが、あれだけ広大な土地を開拓することは不可能だったでしょう。

そして、アメリカ人の多くが信仰するプロテスタントでは、労働を善とする倫理が説かれていることから、その考え方も深くアメリカ社会に浸透していったのです。

また、アメリカ人に「忍耐が大切」という考えが深く根付くに至ったのには、19世紀半ばのアメリカでサミュエル・スマイルズによって書かれ、大ベストセラーとなった自己啓発本『自助論』の影響も大きいとケラーは書いています。

スマイルズは、同書のなかで、「忍耐力こそが最も大切なことであり、それなしでは幸せな生活など送ることはできない」という考えを説き、アメリカで爆発的な人気を博したのです。

マツダミヒロ 問道家、余白家、ライフトラベラー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まつだみひろ / Mihiro Matsuda

大学卒業後、デザイン事務所を設立。その後、カウンセリングやコーチングの理論をベースに、自分自身と人に日々問いかけるプロセスを集約し、独自のメソッドを開発。質問するだけで、魔法にかかったようにやる気と能力が引き出され、行動が起こせるようになることから、「魔法の質問」と名づけ、質問家として活動を開始。現在、メルマガの読者は10万人を超え、夫婦で行っているラジオ番組「ライフトラベラーズカフェ」(Podcast)は、アップルのベスト番組に選ばれ、30万人を超す視聴者がいる。また、100以上のオンライン講座を提供し、世界を旅しながら、各国で「自分らしく生きる」講演・セミナー活動を行う。1年のうち300日は海外に滞在するなど、自分らしく働き、自分らしく生き、大切な人たちと豊かな時間を過ごすことを大事にしている。

著書は『朝1分間、30の習慣。』『聞くチカラ』(いずれもすばる舎)、『質問は人生を変える』(きずな出版)、『1日1問答えるだけで理想の自分になれる365日の質問』(光文社)など40冊以上ある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事