CSR高成長ランキング・トップ29--環境・社会・ガバナンスと財務から見た成長率1位は協和エクシオ、2位リンナイ
先日のCSR企業ランキング2012・トップ700に続き、今回はCSR高成長ランキングを紹介する。総合ランキングは、各評価項目についてバランスよく得点を挙げる大手メーカーが上位となりやすい。そのためCSR活動を積極的に行い、成果を出しているにもかかわらず総合ランキングを見るだけでは、その取り組みがわかりにくい企業が多い。
そこで、CSRで高い成長を遂げている企業を見つけるため09年から12年までの4年間のCSR企業ランキングデータを使用し、総合得点、CSR得点、財務得点の上昇率を計算。これらがすべて3年連続で上昇している企業を対象に3年平均の総合得点上昇率でランキングした。該当は29社。
1位は上昇率9.51%の協和エクシオ。電気通信工事大手の同社は総合ランキングが09年439位から10年386位、11年374位、今年153位と急上昇。CSR得点の平均上昇率は18.87%と急激な伸びで財務得点3.46%と合わせて高い成長となった。
部門別では企業統治+社会性が84.9点と高い。物品調達でエコ商品購入率を全社的にウオッチし、「グリーン調達推進」を実施するなどCSR調達にも積極的。73.5点とまずまずの得点の環境分野では「技術センタに太陽光発電システムを設置し電力抑制に寄与する」など本業に関連した活動を行っている。
今後、さらに成長を続けていくには雇用面の成長がカギとなりそうだ。現状は女性管理職数ゼロ、障害者雇用率1.43%と法定を下回る。有給休暇取得率も増加傾向にあるものの47.0%と改善余地は大きい。
「新卒の技術職を中心に女性比率を高める」など女性活用の取り組みも進め、勤務柔軟化への諸制度も整備しつつある。今後、こうした制度をうまく使い多様な人材を活用できる組織に進化させていくことができれば、成長率の高さも持続できそうだ。
2位はガス器具トップのリンナイ(上昇率9.04%)。総合得点は446.6点で総合順位は173位。「環境」、「熱と暮らし」、「品質」、「現地社会への貢献」の4つをCSR活動の中心テーマとし取り組みを進める。