イグ・ノーベル賞博士が明かす「子どもの考える力を伸ばすのは『答え』ではなく、『問いの立て方』」

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宮下氏、窪田氏
AI時代に必要なのは「正解」よりも「問い」、どう育むか(宮下氏<右>の写真は本人提供、窪田氏の写真は撮影:梅谷 秀司)
2023年に「電気味覚」の研究でイグ・ノーベル賞を受賞した、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科教授の宮下芳明氏。その研究がもとで開発されたのが、塩味を増強できる食器「エレキソルト」である。これまで減塩食を美味しく感じられなかった人たちにとって、希望の光となっている。
一方、これまで軽視されがちだった近視に対して「危険な疾患である」と警鐘を鳴らしているのが、眼科医の窪田良氏だ。自身が立ち上げた窪田製薬ホールディングスでは、近視の抑制を目指した「クボタグラス」を開発し、対策につなげている。
この企画では、先端メディアと目、それぞれの領域で活躍する2人の研究者が語り合う。第2回は、日本とアメリカの教育の違いについて、「問いの立て方」の視点から話す。

科学を進歩させる「問いの立て方」

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窪田:これまでの日本の教育は受験中心で、考える力を伸ばす方向ではなかったかもしれない。私はトータル25年ほどアメリカに住んでいたのですが、日本とアメリカでは教育の在り方が全く違うと感じています。

宮下:どんな違いがありますか?

窪田:圧倒的に違うのは「問いの立て方」です。長年、研究をしてきましたが、アメリカでは仮説の立て方がすごく良い。もしかしたら私の専門であるサイエンスの分野だけかもしれませんが、「この仮説を証明することで科学が大きく進むだろうな」と感じられるような仮説なんです。

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