「にじみ出る"世渡り上手"なエリート感」「掲げる大義のショボさ」が原因だ…LUUPがすっかり「嫌われ者」になった本質的な要因
私だけではなく箕輪さんも、はっきりとは言語化できていませんでした。私と箕輪さんの2人が、その場で明確に言語化できないということは、何かSNSの本質に関わるような深いテーマである気もしました。
そこで私は、明確ではないながらも、そのときに感じていた原因をXに投稿したところ、490万を超えるインプレッション(投稿が読まれた数)となり、大きな反響を呼びました。
メディアにも頻繁に取り上げられ、急成長を遂げるなどビジネスとしても成功し、犯罪などの不祥事が摘発されたわけでもないLUUPが、なぜSNSでは嫌われてしまうのか。その理由には、SNSでPRが失敗する本質が隠れています。
失敗の事例として取り上げることになりLuup社には大変申しわけないのですが、 LUUPの事例はもはや現代のPRをめぐる社会的な事象という側面があることから、ここで詳しく分析して、読者の皆さんに紹介していこうと思います。
LUUPの炎上歴を振り返る
2023年、Luup社の政治家や行政への働きかけが奏功し、道路交通法が改正されました。
これまでは普通自動車免許または原付免許が必要だった電動キックボードの運転が、16歳以上であれば免許不要に、ヘルメットの着用は義務から努力義務へと緩和されました。禁止されていた歩道の走行も、速度制限つきで可能となりました。
この道路交通法改正がきっかけで、LUUPの利用は急増しました。ですが信号無視・歩道走行・飲酒運転などの違反が続発し、Xでは「マナーが悪すぎる」「違反者を撲滅しろ」との批判が殺到することになります。
2024年には、元警視総監を社外監査役に起用したことが、「天下り」「警察との癒着」として大きく批判されました。
ほかにも、LUUPの駐輪スペースが消火器や避難ハシゴの前に設置されるケースがあることがSNSなどで示され、「消防法違反では?」との指摘が相次ぎます。
Luup社の広報対応も、こうした批判に火に油を注ぐ格好となりました。岡井大輝社長は 2024年12月の時事通信の取材に、「違反を繰り返しているのは本当に一部なので、撲滅できる」と発言。「実態をわかっていない」と、Xで炎上することになります。
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