ファミマとユニー、統合合意でも待つ障害 「日本代表するグループ目指す」と息巻くが

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最大の課題は総合スーパーの不採算店閉鎖にある。佐古社長は約230店の2割以上に相当する「最大50店閉鎖」との一部報道については否定するが、「(閉鎖は)是々非々で考えていく。契約満了や継続的な赤字が続いている店舗もあり、これを機に集中と選択を進める」と話す。実際、「前期末では経常利益段階での赤字店舗が4割に達している」(ユニーグループ幹部)としており、水面下では数十店規模での閉鎖を予定しているようだ。

佐古社長はこれまで総合スーパーの大量閉鎖について否定的だったが、統合交渉の過程でファミマと伊藤忠から抜本的な改革要請が強まっていったようだ。中山社長は「基本合意の延期は互いの理解のためだった」としたうえで、「われわれも総合スーパーはつぶさに承知しておらず、素朴な疑問も含めて佐古社長にぶつけた」と話す。

「対等な精神で経営統合する」と今年3月に掲げたファミマとユニーだが、両社の勢いの差は歴然としている。直近の2015年度上半期の決算も、ファミマが最高益を計上する一方、ユニーグループはコンビニや総合スーパーが想定以上に振るわず、増益予想が一転して営業減益となった。不振店舗の減損も響き、6年ぶりに最終赤字に転落した。

スーパーの経験がない不安

あるユニー関係者は「ファミマと伊藤忠は総合スーパーを経営したことがないので不安が大きいのだろう。どうしてもリストラが中心になってしまう」と解説する。越田次郎・取締役専務執行役員は、伊藤忠がファミマ株の約36%を握る事実を指摘したうえで、「合併の決議は3分の2以上の賛成が必要だから、伊藤忠が反対すると成立しない。伊藤忠の気持ちをある程度酌まないと、統合はうまくいかない」と明かす。

他方、業界内での序列がより鮮明化してきたのが、サークルKサンクスだ。この上半期は、採算が取れていない約100店を減損対象にするなど、負の遺産を処理。セブン-イレブン、ローソン、ファミマの大手3社が過去最高益となる中、営業利益は約2割減と独り負けだった。

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