瀬戸際のヨーカ堂、待ったなしのテコ入れ コンビニ好調なのにセブンが業績下方修正

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どこの店舗を閉鎖対象にするのか。本社側は一切明かしていない(撮影:梅谷秀司)

「イトーヨーカ堂は上半期で2010年度以来の赤字決算となった。(中略)このような結果になったのは非常に残念だ」――。セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長は神妙な面持ちでこう語った。

セブン&アイは10月8日、2015年度上半期(15年3~8月期)の決算を発表した。営業利益は過去最高を更新。一方で、同年度の通期業績見通しを下方修正した。過去最高益であることに変わりはないものの、これまで3730億円と予想していた営業利益を3670億円に減額した。この修正の主要因こそ、冒頭で村田社長が言及した総合スーパー・イトーヨーカ堂の不振にある。同社は当初、通期で100億円の営業利益を見込んでいたが、10億円へと大幅な悪化を見込む。

イトーヨーカ堂は、消費増税や専門店の台頭で衣料品を中心に苦戦し、2014年度の営業利益は18億円に沈んだ(2013年度は112億円)。今年度はプライベートブランド(PB)商品の開発強化などで回復すると見込んでいたが、厳しい状況はそうすぐに変わらなかった。

不良在庫となった衣料品の値下げセールに伴う採算悪化の影響が35億円、食品売り場を中心にした改装費用25億円も重くのしかかった。さらに「消費増税から1年経って、お客様は価格にも非常に敏感になっている。その辺についても課題があった」(村田社長)。結果、イトーヨーカ堂は上期だけで90億円の営業赤字を計上するはめになった。

大規模閉店、でもそれだけでは不十分

“瀬戸際”のイトーヨーカ堂にまず行われるテコ入れが、不採算店の大規模な閉鎖だ。国内約180店のうち、今後5年で40店の閉鎖に踏み切る。

ヨーカ堂の改善策を説明する村田社長

だが「店舗を減らしたから利益が上がるということではない」(村田社長)。状況の打開に向け、ほかにもさまざまな対策を行う。仕入れや品質管理といった、これまで本部が中心に行っていた機能を、積極的に店舗や地域ごとに設けた管轄部署に委譲している。9月には350人の本社社員が各地へと配属され、組織体制を改めた。

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