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「意味不明すぎ」 紙やすりの壁紙に"やすられる"部屋、コンセント430個が並ぶ部屋……。アーティストが空き家・空き地を変えた大阪・北加賀屋

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一見普通の部屋。だが、壁紙の代わりに紙やすりが貼られており、壁に触れると"やすられる"(写真:筆者撮影)

以前住んでいた人が寝ていたであろう場所の壁は退去時かなりやすられていたそうで、きっと就寝中何度も痛い思いをしただろう。掃除ロボットがやすった跡もあちこちにあったという。機械は痛みを感じないだろうが、かわいそうなことをしたものである。

壁アップ。場所によってやすりの目の粗さは異なっており、それほど"やすられない"壁と思いっきり"やすられる"壁がある(写真:筆者撮影)

賃貸住宅では入居者は退去時のことを考えて部屋を傷つけないようにしようと気を使うことが多いが、この部屋は部屋が人を傷つけかねない。常識が通じないどころか、逆転しているというべきか。私も室内撮影時にはずいぶんとやすられた。

実用的なのか、無駄なのか

205号室は電化美術という家電メーカーなどで製品のデザインを手掛けているデザイナー集団と北加賀屋にあるFabLabがコラボして作った。

FabLabとは地域に開かれた、3Dプリンターその他の工具が置かれた工房のことで、世界中で数百が展開されている。

やすりの部屋と違い、この部屋は入った途端におかしさに気づく。壁、天井に等間隔に430個ものコンセントが設置されているのである。しかも、全部が使えるわけではなく、使えるのは4個のうちの1個。キッチンの取手部分に至っては全部使えない。

コンセント部屋全景。壁、天井などに等間隔でコンセントが設置されている(写真:筆者撮影)
前回取材時には気づかなかったが、キッチンの取手部分もコンセントになっており、そのままでは開け閉めできない(写真:筆者撮影)

だったら付けるなと思う人もいるだろうが、コンセントとしては使えなくても先端がプラグの形をしているものを差し込めば棚受けやフックとしては使える。

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【ほかにもある普通じゃない部屋】

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