【産業天気図・証券業(既存大手中心)】個人復調で07年度は微増益基調。ただ下期は相場次第で波乱も

証券業界の07年度は上期、下期とも若干の増益を予想するが、相場急落などの不確定要素も考え、本特集では「曇り」予想を維持する。手数料率の高い個人投資家が足元で買い越しに転じており、『会社四季報』春号予想では各社の06年度の減益幅を縮小した。
 個人の株式売買手数料の料率は機関投資家などのそれより大きいため、個人取引の減退は株式依存度の高い中堅・準大手以下の証券会社に与えるインパクトが大きい。07年度については、基本的に06年度並みの株式委託手数料が期待できそうと見ているが、最近の世界同時株安のような相場急落が今後も発生すると、個人が再び様子見となって各社の収益を下振れさせかねず、そうしたリスクには注意が必要だろう。
 今後の業界のポイントは、まず第1に日興コーディアルグループ<8603.東証>への米シティグループのTOBが成功するかどうか。そしてシティ傘下となった日興がどんな変貌を見せるか、だ。
 次に、対抗軸としての国内メガバンク系証券各社の対抗戦略が注目される。三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)<8316.東証>がSMBCフレンド証券を完全子会社化したのに続き、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.東証>も三菱UFJ証券<8615.東証>を07年9月に完全子会社化する。三菱UFJはネット専業のカブドットコム証券<8703.東証>への出資拡大や、松井証券<8628.東証>との提携交渉も行っており、内外のメガ金融グループによる証券会社の囲い込みが加速しそうだ。みずほフィナンシャルグループ<8411.東証>系の新光証券<8606.東証>も、08年1月にみずほ証券と合併する予定だ。
 また大手証券では、トップの野村ホールディングス<8604.東証>は、傘下のネット専業のジョインベスト証券にテコ入れ中だが、他グループとの再編は当面なさそう。一方、大和証券グループ本社<8601.東証>は、すでに法人業務で三井住友と合弁(大和証券SMBC)を組み、リテールでも連携強化を模索中。「日興+シティ」が成功しそうなら、三井住友との一段の連携強化や、さらなる再編の台風の目となる可能性もありそうだ。
【山川清弘記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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