「ものが歪んで見える」網膜剥離で生活が一変。シンガーソングライター柿島伸次さんに聞く“目の病気”の怖さ

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近視は病気です
網膜剥離手術後の大変な後遺症については、まだあまり広く知られていない(柿島氏<左>の写真は本人提供、窪田氏の写真は撮影:梅谷 秀司)
「近視になってもメガネをかければいい」と思っている人は少なくないが、実は近視は将来的に失明につながる眼疾患の発症リスクを高める、危険な疾患なのである。しかし、身近に眼疾患の経験者がいなければ、その実感が湧かない人がほとんどではないだろうか。
近視は病気です』の著者であり、近視の予防を呼びかける眼科医である窪田良氏の対談企画。今回は、NHK Eテレで放映されたアニメのテーマソングの作曲者としても知られる、シンガーソングライターの柿島伸次さんをお招きし、幼少期に近視になり、50代で網膜剥離を発症したリアルな体験談を語っていただいた。
第3回は、柿島さんが網膜剥離の術後に悩まされた「不同視」や、その後の後遺症について話を聞く。

子どもはガチャ目に「すぐ慣れる」?

窪田:柿島さんは57歳の時に網膜剥離を発症されたと伺いました。

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柿島:そうです。ある日、突然、網膜剥離になって、2年前に手術を受けました。その時、右目に眼内レンズを入れたのですが、それがきっかけで左右の視力の差が大きい「不同視」になってしまって。

窪田:柿島さんの場合は、手術をした右目はよく見えるようになり、左目は近視のままだったので不同視になってしまったということですね。

柿島:不同視は本当につらかったです。その時期は、ステージに立つのもやっとでした。1回のコンサートで5本くらいハーモニカを使うのですが、目の前のテーブルに置かれていても、どれか分からないので選べない。ギターのチューニングメーターも2.5cm四方くらいの大きさなので、表示が読めませんでした。

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