名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

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例えば、もとは駐輪場だった鉄骨を残すと屋台のように使われたり、遊び場になったりする。数段の階段はベンチ代わりになり、住人がDIYでベンチをつくってくれたこともある。

「“おしゃれなかっこいい家” は世の中にたくさんありますが、こんな、気取らない普段着のような家、敷地のどこまでも生活の延長線上にある家が、私には楽しい。

結局は、どんな人が暮らして、他者がいることでどんな風に関わっていくか、顔の見える関係を築くことに尽きると思います。100人いたら100通りの暮らし方があって、その状態が高円寺アパートメントの風景になっていくのだと思います」(みゆきさん)

建築模型
なぜか建築畑の住人が多いことから発生した「建築模型づくり」は定期的に開催されるマルシェの展示として開催。「“自分たちからなにかしら発信していこう”とスタートしたもの。みんな自分の仕事が終わった後に集まって作業する。まるで”大人の文化祭”のようで、楽しかったです」(みゆきさん) (画像提供/本人)
テレビコーナー
「テレビを見せたくない」(みゆきさん)と「テレビは絶対必要」(ひろきさん)の対立する希望を満たすため、押し入れを改造し、下の段にテレビコーナーを設けたアイデア。押入れの襖を外したことで空間が広く感じるようになった(画像提供/本人)

自分も暮らしながら、人と人との繋がりを育む「女将」

そして、このコミュニティの中心にいるのが、宮田サラさん。この物件に自分も実際に暮らしながら、管理でなく、住人同士、住人と地域コミュニティづくりに取り組んでいる。完成当初から住み続けて約8年。住人の方にインタビューすると「サラちゃん」「サラさん」と、必ず名前が上がる――役称は「女将」だ。

宮田サラさん
株式会社まめくらしの宮田サラさん。高円寺アパートメントの住人たちの関係づくりや、地域に開く場づくりを担っている(写真撮影/相馬ミナ)
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