名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今
それにしても「自分自身も暮らす」というのはどうして?
「当初は、通いで、という話だったのですが、そもそもこの土地も地縁がまったくなくて、自分自身も当事者になって“日常にいる存在” にならないと、難しいんじゃないかと考えて、『むしろ住みながらやらせてください』ってなったんです」
最初のきっかけは「同じ釜の飯を食べようの会」
とはいえ、当初は苦戦した。入居募集時はまめくらしがどう関わるか確定していなかったので、コミュニティのある物件を目指していることを発信できない状況だった。そのため、高円寺アパートメントが何を目指しているのか理解はあまりされていなかったのだ。
「最初は、『同じ釜の飯を食べようの会』と称し、運営側がご飯を用意し、住人にはお箸、お茶碗、料理一品を持参してもらい、互いを知る機会としました。この会をきっかけに、同時期に店舗兼用住宅でお店を開く予定だった住人と『おひろめマルシェ』をしようという話になり、これが、現在1年に1回開催されるマルシェの始まりになりました」


そのうち少しずつ、住人同士が同じ趣味や、気軽に参加できる映画鑑賞会、ご近所さんが気軽にできるフリマなどを通して、つながりが増えたという。