名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

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ほかにも、住人同士の食事会に参加したり、アニメ映画や恋愛リアリティ番組をみんなで観たり。

「興味があれば行くし、忙しければ行かないし。それくらいの関係性がちょうどいいんです」(さおりさん)

最近では、「お世話お願いグループ」というLINEグループをつくり、年末年始の帰省で数日間家を空けたときには、植物の水やりや熱帯魚のエサやりをお願いしたこともある。

「もしかしたら、コミュニティって言葉だと少し強いかもしれません。近所の方が『ご近所さん』になる感じ、でしょうか。最初に思い描いていた、2人だけで暮らしているわけじゃない、ご近所さんが日常にいる。この感じがとても心地いいんです」(さおりさん)

DIYの食器棚
DIYの食器棚。住人同士で「家見学ツアー」をして、インテリアの参考にすることもあるそう(写真撮影/相馬ミナ)
キッチン
タイルが洒落た、ミニマムな「tool box」のキッチン。備え付けの天井のレールには照明だけでなく、自由に植物も飾って(写真撮影/相馬ミナ)
動物モチーフのインテリア
動物好きで、インテリアにはさまざまな動物モチーフが並ぶ(写真撮影/相馬ミナ)

住まいとそこに住む人達との関係の理想形を知った

6年前から「高円寺アパートメント」で暮らしている、みゆきさん・ひろきさん夫妻。暮らし始めたきっかけは、以前、みゆきさんの友人がここの5階に住んでおり、その友人が引越すタイミングで空室が出ると聞いたことから。

「その友人はここでルームシェアをしていたんですけど、何度か遊びに行くうちに、住人同士の仲の良さにびっくりして。まるで自分の家のように気軽に出入りするんですから。

他者を受け入れる空気感が、なんだかいいなぁって思って、住んでみたかったんです。当時私は実家暮らしで、『空きが出たからすぐ契約して』って、急いで彼に先に入居してもらったんです」(みゆきさん)

みゆきさん、ひろきさん
みゆきさんとひろきさんは、2人とも建築家。「建築家として、どんな家に住むべきか、ずっと考えていました。“自分の部屋だけで完結しない場所がいいな”とぼんやり考えていたなか、この物件と巡り合いました」(みゆきさん)(写真撮影/相馬ミナ)
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