「転売ヤーのアカウントを停止しろ」「第3段ないかもってまじ?」 “ちいかわ”付きハッピーセットの転売で、マクドナルドが抱える《4つのリスク》
新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を維持するほうが、費用対効果が高いというのは、マーケティングの基本的なセオリーだ。特典目当ての「一見さん(いちげんさん)」への対応で、リピーターが不利益を被ってしまうことは、中長期的な企業の利益を損なうことにもつながりかねない。
食品ロスの問題も大きい。マクドナルド自身が廃棄しているわけではないのだが、大量廃棄の問題は、数多くの社会貢献事業を行っているマクドナルドとしては、悩ましい問題に違いない。
転売を行っている人はごく一部なのかもしれないが、SNSで食品が廃棄されている画像が拡散されたり、マクドナルドの対応が批判されたりする事態が起きると、企業のレピュテ―ション(評判)にも悪影響をおよぼしてしまう。

マクドナルドに非はないが…
「需要を見越して供給ができなかったのか?」という疑問を抱かれる方も少なからずいるだろう。
筆者は広告会社でキャンペーンの企画に携わっていたことがあるが、事前に需要を予測するのはそう簡単ではない。万が一、供給過剰になってしまうと、食品ロスはなくとも、特典の在庫をどう処理するのかという問題が生じてしまう。
さらに、キャラクターの権利元との契約、生産ラインの制約もあるので、需要に合わせて生産することは意外に難しい。
今回がどうだったのかはわからないが、短い期間に限定して、3回に分けてキャンペーンを実施していることを考えると、さまざまな制約があったのではないか。
マクドナルドは、「1人4セットまで」と購入に制限を設けていたし、公式サイトなどでも「転売または再販売、その他営利を目的としたご購入はご遠慮ください」と呼び掛けていた。

需要が大きいこと、転売の可能性があるという点は、マクドナルドも事前に読めていたはずだ。ただ、ここまでの規模で転売が起き、問題視されることになるとは、さすがに予想外だったのではないだろうか。
同社としては、子どもたちに喜んでもらおうと思って企画したはずであるし、購入できた子どもたちは喜んでいるに違いないとも思う。
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