就任1年で優勝、ヤクルト真中監督の采配術 「3本の矢」は、なぜ成功したのか

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2年連続最下位チームをいきなり優勝に導くには、選手の成長はもちろん、数多くある弱点も解消しなければならない。しかもメスを入れる順番も間違えるわけにはいかなかった。

誰が見ても明白だったのは投手陣の強化。個々のスキルアップをじっと待つわけにはいかない。着手したのは救援陣の整備。「邪道かもしれないね」と笑ったが、ロマン、オンドルセク、バーネットの外国人3投手を救援に配した。救援陣が助け合いながら結果を残すと、先発陣の精神面の安定剤ともなった。

意識した投打のバランス

小川、石川、館山が「ウチには頼れる救援陣がいる。最初から飛ばしていけるところまでいって、リードしてバトンを託す」と口をそろえた。終盤まで投げきらなければならないという重圧から解放された。

昨年猛打をふるった強力打線では、打順に手をつけた。7月のオールスター以降、川端を2番に据え、3番に山田、4番に畠山と並べた。川端にはこう伝えた。

「2番でもバントのサインは出さない。併殺も増えるだろうが、気にせず自分の打撃をすればいい。普通にヒットを打ってくれ」

川端の頭の中に進塁打の概念は消えた。「最低限」を考えさせるのではなく、選手の特長を発揮するためのスペースを真中監督は与えた。

「3人を並べたかった。何となく下位が薄いからバラしたくなるけど、そうするとどこかに弱さが出て、勝負を避けられる。川端でも、山田でも、畠山でも勝負してほしいと思った」

日本の野球界の常識で言えば、1番とクリーンアップ(3~5番)に中心選手を置く。だが、2番が単につなぎ役の選手であれば、そこで相手に息をつかせてしまう。3人をくっつけることで、前を打つ2人(川端、山田)は勝負に出ることができるし、前2人の出塁で生まれたビッグッチャンスを最後の1人(畠山)が還すこともできる。「3本の矢」は相乗効果を生んだ。

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