中身は「パーの見方」で、タイトルは「バカの見方」で! "ぷよぷよの父"が見つけた《売れる商品の名付け方》
仕掛けられたトリックに乗っていく。紙に丸と線が描いてあるだけなのに、その技に酔いしれて「この絵には奥行きがある」とか言い出す。一般的なルール、錯覚に自分を乗せることができる「疑惑の一時停止」という意味での「ボケの見方」だ。
「パーの見方」は掟破り。たとえば、補助線と丸の絵を「斜線を引いた白い背景ボードに大小二つの穴があいていて、そこから向こう側の空白が見える」という見方をする。
通常なら、斜線の手前に丸があると見る。丸を主役としてとらえる。ところが、手前に斜線があって主役であると見ると、丸が穴に見えてくる。通常の掟をやぶり、とんでもないことを言い出す。
バカ正直なタイトルが最高
ぼくは、この話が大好きで、作品は「パーの見方」でつくり、タイトルは「バカの見方」でつくるのが理想だと考えている。とんでもない掟破りの作品に、バカ正直なタイトルがつけられると最高だ。
たとえば『はぁって言うゲーム』は、「はぁ」とか「好き」とか短いフレーズを言うゲームだから、それをまんまタイトルにした。ゲームは「プレイ」するものだからプレイヤーにやってもらいたいアクションをバカ正直にタイトルにしたい。
言いまちがいをしている人狼を探し当てるゲームは『言いまちがい人狼』。これも、そのまんまだ。言いまちがいの楽しさ、人狼を探し当てる楽しさを、バカ正直にタイトルにした。

「やわらかい」がコンセプトで、ぷよぷよしたキャラクターを消していくゲーム『ぷよぷよ』。これも、そのまんまだ。
タイトルとしてかっこいいかどうか以前の段階、「仮決めしました」っていうぐらいの素のタイトルにしたい。ゲームを遊んだ人が、何も考えずひねらず、そのゲームをバカ正直に呼ぶとき何と言うだろうか、と妄想してタイトルを考えている。そうすることで作品の内容を伝える扉としてタイトルが機能する。
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