中身は「パーの見方」で、タイトルは「バカの見方」で! "ぷよぷよの父"が見つけた《売れる商品の名付け方》

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

タイトルを決めるときに「口の気持ちよさ」も気にしている。内容が伝わるだけでは人は口にしてくれない。理解のうえに快楽が必要、言いたくなる気持ちよさが肝心だ。

たとえばリズム。『あいうえバトル』は、最初「あいうえおバトル」というタイトルにしようとしていた。五十音を使うゲームなので「あいうえおバトル」のほうが素直だ。「お」を省略する意味はない。でも、口にしていて気持ちよさが足りない気がした。リズムがもっさりしている。

『あいうえバトル』にしてみた。ひと息で言うタイプのタイトルなら7音がいい。

「口の気持ちよさ」でタイトルが育つ

こういうときは、他の人の口も参考にする。プレイテストのときに、わざと『あいうえバトル』と「あいうえおバトル」を混在させて言ってみるのだ。で、それを聞いた他の人がなんと言うか。最初はみんな「あいうえおバトル」と言う。でも、だんだん『あいうえバトル』が増えてくる。タイトルが育っていく感じがした。

もちろん自分でも実際に何度も言ってみる。「あいうえおバトル」と『あいうえバトル』を何度も何度も口に出してみる。ちょっとした違和感、リズムの変化。それがクセになるといいなと願って、タイトルを『あいうえバトル』に決定した。

『ぷよぷよ』も、タイトルにした瞬間、「ぷよ(↓)ぷよ(↓)したほっぺ」と言うときのふつうのアクセントではなく「ぷよ(↑)ぷよ(↑)」になるのがいい。

『抜歯歯デスゲーム』というゲームをつくった。白い歯と金歯の木駒を歯ぐきカードの上に置いて抜きあうゲームだ。ほんとうなら『抜歯デスゲーム』でいい。歯を2つ重ねて「抜歯歯」にする意味はない。

2024年インディーズ作品『抜歯歯デスゲーム』 。白い歯6本と金歯2本を抜き合うデスゲーム。手番でカードを取って捨てるを繰り返して手札を減らす。捨てられたカードは上から何枚でも取れるし、手札の連番は何枚でも出せる、というダイナミックな逆転が起こる

でも「抜歯歯」にした瞬間、「ばっしし」ではなく「ばっしっし」とリズムが生まれる。シメシメの時の笑い声「うっしっし」にも似たリズムになる。

次ページ外に開かれているか?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事