「ベッキーの“ゲス不倫”と似ているようで違う」永野芽郁&田中圭、CMの続々削除や大河降板も、「俳優活動の完全終了はない」と言えるワケ

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プロモーションに悪影響は出てしまったものの、レビューサイトやSNSの口コミを見ても、『かくかくしかじか』の評価は上々のようだし、永野さんの演技自体は評価されているようだ。

映画は見たい人がお金を払って見に行くものだ。

性加害行為を行った映画監督や俳優が活動できなくなったり、犯罪を起こした俳優が出演する作品がお蔵入りになってしまったりという事態は起きているが、不倫で映画やドラマに出演できないようになってしまうのは、少し行きすぎのように思える。

俳優の東出昌大さん、唐田えりかさんは、不倫によってイメージが大きくダウンし、芸能活動が大きく制限される結果となった。しかし、それぞれ新しい役柄を獲得して、映画や配信ドラマで復帰して、高い評価を得るに至っている。

タレントに対してのコンプライアンスが厳しくなっている一方で、いまはYouTubeなどの動画配信サイトもあれば、有料の映像配信サービスなどもある。タレントの活動の場は広がっている。

映画やドラマは虚構の世界を描くものであり、俳優に期待するものは演技だ。私生活は、主従でいえば従であるべきだ。

田中圭と永野芽郁
田中圭と永野芽郁は2021年公開の映画『そして、バトンは渡された』で共演していた(画像:永野芽郁公式Instagramより)

今後のキャリアを潰してしまうほどの行為か?

5月19日、永野さんが2026年放送のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の出演辞退を申し出たとの発表があった。視聴者数の多い公共放送のドラマであるから、やむをえないことだ。ただ、すべて降板するのが適切かどうかというと、疑問が残る。

不倫は決して褒められた行為ではないが、今後のキャリアを潰してしまうほど深刻な行為なのか――と言えば、疑問が残る。

最終的な起用の是非は、観客や視聴者が受け入れるか? ということに尽きる。CMは企業や商品のイメージが重視されるし、視聴者は、見たくなくても見てしまう機会もあるので、降板はやむをえない。

一方、見ていない人、見るつもりもない人たちの声によって映画やドラマに出演できなくなってしまうことは、公正とは言いがたいように思える。

一定の寛容さを備えておくほうが、むしろこの社会は健全であると筆者は考えている。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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