わが子の成長を促すチャンス「放課後時間」の上手な使い方のコツ――大事なのは”子どもが自ら気付くきっかけを与える”こと
とはいえ、こうしたきっかけ作りは簡単なことではありません。親の気分や余裕の有無によって、対応が変わってしまうこともあるでしょう。でも、「この子の意思を尊重しよう」という基本姿勢さえあれば、きっと子どもは安心して自分で考え、行動していく力を身につけていってくれるはずです。
人間力を伸ばす子ども同士のやりとり
学童保育には、子どもたちの社会があります。異学年で過ごす放課後時間は、コミュニケーションの機会にあふれています。
例えば、一人っ子で育ってきた子が、異年齢の集団のコミュニティで1歳上の子とケンカになったり、保育園までは自分のペース中心でやってきた子が他の学校の友達と遊びの順番でトラブルになったり……。そんなとき、間に入ってくれる上級生がいるのも学童の良さです。
泣いたり、葛藤したり、その日は無視し合ったり、翌日には仲直りしたり、急に「親友だよな」と言い出したり、そうかと思ったら遊具の取り合いでまたケンカしたり、大人が介入しなくても子どもたちが遊びのコミュニティをつくっていく。そこでの1つひとつのやりとりが、社会につながる人間力を成長させる機会になるのです。
KBC(民間学童保育キッズベースキャンプ)では、こうした自然に起きるコミュニケーションの機会に加え、毎日の終わりに日常のプログラムとして「キッズミーティング」という時間を設けています。そこでは子どもたちが日替わりでMC(司会進行役)を務め、1日の出来事を共有していきます。
順番でMCを交代していく施設もあれば、立候補した人が日替わりでMCをしていく施設も、2〜3人で司会進行していく施設もあります。ミーティングのやり方も、話し合う内容も決めるのは子どもたち。子どもたちの主体性を大切にしています。
私はよく予告せずにふらりと施設へ遊び(視察)に行くのですが、先日はある施設で「MVPを贈ろう」というキッズミーティングをやっていました。子どもたちに聞くと、その日に誰かにしてもらってうれしかったことを発表する時間とのこと。
「〇〇くんが、開けにくくて大変だったおやつのプリンのふたを開けてくれました」
「ドッヂビーで失敗しちゃったとき、△△さんが『ドンマイ』って声をかけてくれてうれしかった」
友達からうれしさを伝えられた子どもは「えへへ」と照れたり、喜んだり。その様子を見て他の子もニコニコしています。
些細な日常のやりとりかもしれませんが、小さな親切や思いやりに気づき、それを言葉にして伝え合うのは大切なこと。キッズミーティングは子どもたちのなかに、共感や思いやりの気持ちを育んでいくのです。
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