「こんな所に人が来るの?」と言われたが…。過疎の山奥にある「道の駅」で"バカ売れ"する草だんご。《小さな自治》精神が集客の秘訣だった!

茅葺き屋根の外観があたりの風景と調和している「道の駅酒谷」。この酒谷地区の人口は819人(令和6年1月1日時点)。長閑な場所に、遠くからでもわざわざ客は訪れるという。何が客を惹きつけるのか?(筆者撮影)
山奥で行列ができる草だんご
人里離れた山あいの道を車で走っていると、ふと現れる飲食店や休憩所には、引き寄せられるような魅力がある。自然に囲まれた中、旅の合間にひと息つけるあの感覚が好きだ。
宮崎県日南市にある「道の駅酒谷(さかたに)」もまさにそんな場所。山奥にひっそりと佇む茅葺き屋根の建物にほっと心が和む。
この道の駅がある酒谷地区は大部分を深い森林が占め、川沿いのわずかな平地に集落や田畑が点在しているばかり。そんな立地にあるこの道の駅で、驚くほどの人気を集めている商品がある。
それが「草だんご」だ。地元で採れたヨモギに北海道産の小豆を使用。味付けは砂糖と塩のみというごくシンプルな和菓子だが、この草だんごを求めて連日多くの人が訪れる。
天気のいい週末には駐車場が満車になり、売り場には行列ができるほど。1日に3000個を売り上げる日もあり、製造が追いつかないこともしばしば。年間で約20万個が売れるという。

草だんご2個入り300円(筆者撮影)
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