実は「日本発祥スイーツ」ミルクレープが人気上昇中、"生みの親"が語る専門店誕生の舞台裏。ミルクレープ発想の原点はラザニア

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すると、演出を垣間見た喫茶の常連客らが、「こっちにも出して」と要望し始める。食事の締めのデザートならクレープ数枚でよいが、喫茶の客には物足りないだろう、とケーキを模してクレープにクリームを挟みつつ12~13枚重ねて出したのが1988年だった。

関根氏
ミルクレープ誕生秘話について語る関根氏(写真:編集部撮影)

「人手が足りないから、と頼まれ作り始めたので、スイーツに関しては師匠がいないんです。もし、フランス菓子の修業をしていたら、ミルクレープなんて思いつかないでしょうね。

イタリア料理店なのでラザニアも出しており、料理で重ねて食べるのがおいしいなら、デザートでもおいしいはず」と考え、当時原宿で流行していたこともあり、クレープを使ったのだ。

「ミルクレープ はじまり」
荻窪の期間限定ショップに並ぶ商品 *カサネオの商品の通常価格は1円未満を切り上げて表示しているため、店頭での価格が違う場合がある(写真:尾形文繁撮影)
「ミルクレープ はじまり」
薄皮クレープ生地を楽しむ「ミルクレープ はじまり」(写真:シュゼット提供)

その原型をベースにした「カサネオ」の「ミルクレープ はじまり」は、20枚のクレープを重ねて1ピース551円で販売している。

ミルクレープ元祖として一念発起

その後、同じオーナーが営む南麻布の「ペーパームーン」に移り、店で出すケーキと合計50~60ある他店に卸す芝工場での製造の両方に携わった関根氏。そのうち、卸し先の一つだったドトールから、全国の店舗でミルクレープを展開したい、と頼まれた。

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