芸人仲間からも「うちに来い」とラブコール相次ぐ…。令和ロマンくるま「吉本と契約終了」も増す声援。なぜここまで愛される?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こうしたポイントから、視聴者には「不祥事が起きても、しっかり説明しようとする人柄」が伝わっている。本来であれば、あらゆる芸能人が身につけておくべきスキルだ。

しかし本人なのか、事務所なのか、業界の空気なのか、「なるべく説明は簡潔かつ抽象的にする」ことが慣例となっている。ワンパターンな釈明にあきれているネットユーザーからしてみると、くるまさんの対応が相対的に好印象を与えるのも無理はない。

③考察する風潮との合致

そこにプラスして、芸風が「考察したがる風潮」と合っている。令和ロマンのネタを見ていると、くるまさんが繰り出す各種のボケには「元ネタは何か」など、見る側が語りたくなる要素が含まれている。

筆者は少し上の世代、かつネットニュースばかり見ていたゆえに、マンガ系のボケなどは付いていけない。しかし政治・経済系のボケなら、興味深く楽しめる。少しでも「深く刺さる」ポイントがあることで、より共感は増していく。シンパシーが経済を生む時代に合っていると言えるだろう。

時代にフィットしていることに加えて、芸人からも愛されている要因は「高い技術力」があるからにほかならない。漫才のトップを決める「M-1グランプリ」では、大会初の2連覇を達成。いま最も面白いコンビの一つであることは間違いないだろう。

この肩書は、くるまさんが「芸人」であることを、対外的に示す証拠にもなる。世の中をうがち、斜に構えたスタンスを取ると、得てして「評論家気取りか」「芸人なら笑いを取れ」となりがちだ。それを「M-1王者」の印籠は一蹴してくれる。

似たような属性を持つ芸人には、「霜降り明星」の粗品さんもいる。YouTubeで世論を切る「一人賛否」など、日頃から物議を醸すコンテンツを配信していながらも、圧倒的な技術と実績で批判をはねのけている。「文句を言わせない実力」は、タレントとして大きな武器になる。

「エンタメ業界を中から壊せるトリックスター」

裏付けされた技術力で、時代に合わせた立ち回りをする。そうした姿から、くるまさんが世間に愛されているのではないかと感じている。そして、人々は次第に「エンタメ業界を中から壊せるトリックスター」としての期待を高めているように感じられる。

次ページケムリさんの実力も評価されつつある
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事