「杉玉いいよね…って、スシロー系だったの?!」気づけばあちこちにある、居酒屋ずし「杉玉」。≪すしの総合商社化≫の”巧みな戦略”
次に商品企画力。“同じ素材でも違う顔に仕立てる”ことが肝だ。代表例が「極み寿司」シリーズ。低温調理で“飲めるほど”柔らかくした「飲めるサーモン」(2貫550円)、キャビアまで載せた「中とろ・塩雲丹・キャビアの超ご褒美包み」(1貫400円)、ビジュアルも楽しい「美しすぎる梅しそ真イカ」(2貫300円)など、SNSで映えるラインナップがそろう。


「ん?」と引っかかるような、ユニークな商品名は目を引くだけでなく、店員や客同士の会話を誘発し“体験価値”を生む。商品開発は年間販促スケジュールから逆算し、素材調達にあたっては、2段階プレゼンで扱う素材を決める。1次で通るのは数%。1次プレゼンはみんなで実際に食事をしているような、活気ある雰囲気で行われる。「楽しいメニューは楽しい空気から生まれる」(城野氏)という。
長期的には300店舗も視野
戦略を商品から読み解いてきたが、チェーン拡大も加速する。奥本氏によるとF&LIの中期経営計画では2026年9月期までに国内111〜120店舗を目標とし、「将来的には国内外で300店舗も視野に入れたい」。カギとなるのはFC展開だが、現在FC店は100店舗中16店舗にとどまる。商品企画を“再現”できるオペレーション構築が今後の挑戦となるだろう。

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