東洋経済オンラインとは
ビジネス

「杉玉いいよね…って、スシロー系だったの?!」気づけばあちこちにある、居酒屋ずし「杉玉」。≪すしの総合商社化≫の”巧みな戦略”

7分で読める
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

次に商品企画力。“同じ素材でも違う顔に仕立てる”ことが肝だ。代表例が「極み寿司」シリーズ。低温調理で“飲めるほど”柔らかくした「杉玉と言えば、飲めるサーモン」(2貫550円)、「中とろ・塩雲丹・いくら・キャビアの超ご褒美包み」(1貫440円)、ビジュアルも楽しい「美しすぎる、梅しそ真イカ」(2貫330円)など、SNSで映えるラインナップがそろう。

「杉玉と言えば、飲めるサーモン」(2貫550円)。サーモンは低温調理によって独特の柔らかな食感が備わっている。「飲めるシリーズ」は他に炙りえんがわ、親子稲荷など、全3種類(撮影:尾形文繁)
居酒屋の人気メニュー、ポテトサラダも杉玉ならではの見た目にこだわった。周囲にはアオサ、干しエビ、パン粉などを煎った粉がまぶされており、中身には卵黄を忍ばせている。アオサのせいか、たこ焼きに似た、しっかりした味だ(撮影:尾形文繁) 

「ん?」と引っかかるような、ユニークな商品名は目を引くだけでなく、店員や客同士の会話を誘発し“体験価値”を生む。商品開発は年間販促スケジュールから逆算し、2段階プレゼンによって決定する。1次で通るのは数%。1次プレゼンはみんなで実際に食事をしているような、活気ある雰囲気で行われる。「楽しいメニューは楽しい空気から生まれる」(城野氏)という。

長期的には300店舗も視野  

戦略を商品から読み解いてきたが、チェーン拡大も加速する。奥本氏によるとF&LCの中期経営計画では2026年9月期までに国内111〜120店舗を目標とし、「将来的には国内外で300店舗も視野に入れたい」。カギとなるのはFC展開だが、現在FC店は100店舗中16店舗にとどまる。商品企画を“再現”できるオペレーション構築が今後の挑戦となるだろう。

蝶ネクタイにデニムのエプロンという制服は、「大衆居酒屋でありながら、ハードルを下げすぎない」という意図でデザインされたそう(撮影:尾形文繁)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象