「目の前に薄いカーテンがかかったような…」目の違和感を放置した男性が味わった"恐怖"の正体――知っておきたいキケンな飛蚊症の見分け方

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網膜剥離のメカニズム(イラスト:irodori/PIXTA)

鈴木さんは紹介状を持って総合病院で精密検査を受けると、やはり網膜剥離との診断だった。すぐに入院・手術の日程が決まった。

「モノが見えづらいけれど、特に痛みがあるわけでもない。だから最初はまったくピンとこず、実感がわきませんでした。でも、“失明の危険性がある”と言われたとき、初めて恐怖を感じました」と、鈴木さんは振り返る。

網膜剥離の原因はよくわかっていないが、加齢やストレス、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー、遺伝などが関係するとされている。鈴木さんの場合は、加齢、ストレス、花粉症が当てはまるものの、家族で網膜剥離になった人はいない。

「かなり前にレーシックの手術をしていたので、気になって聞いたんですが、それが原因ではないと言われました」(鈴木さん)

1日中「うつ伏せ」の苦痛

最初の受診から2日後。鈴木さんは総合病院に入院し、翌日には手術を受けた。「硝子体顕微鏡下離断術(しょうしたいけんびきょうかりだんじゅつ)」というなんとも難しい名前の手術と、「水晶体再建術」を組み合わせたものだった。

どんな手術なのかは後述する医師の解説に委ねるが、手術は約1時間で終了。失明の恐怖からは逃れることができた。麻酔の影響もあって特に痛みがなかったので、「ホッとした」という鈴木さん。

だが、大変だったのはここからだった。

網膜剥離の手術では、剥離した網膜を眼底に定着させるため、眼内にガスを入れる。体に害はないが、退院までの3日間はガスで網膜を押し続けるため、常にうつ伏せで過ごさなくてはならなかった。

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