アジャイルは朝令暮改?MECEの罠とは?今さら聞けないビジネス用語の本当の意味を『ビジネス版 悪魔の辞典』が暴く

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
意味がわからない言葉
「よく聞くけれど意味がよくわからない」ビジネスワードの“本当の意味”が明らかに!?(写真:metamorworks/PIXTA)

『ビジネス版 悪魔の辞典』というタイトルがついた赤い本が書店に並んだのは、1998年のことだった。タイトルこそ恐ろしいが、じつはこれ、アンブローズ・ビアスというアメリカの作家が1911年に上梓した『悪魔の辞典』のオマージュだったのである。

政治(politics n.) 主義主張の争いという美名のかげに正体を隠している利害関係の衝突。私の利益のために国事を運営すること。 

大衆(public n.) 法律制定の諸問題で無視して差し支えない要素。
(どちらも岩波文庫『新編 悪魔の辞典』より)

たとえばこのように、もとの『悪魔の辞典』は、辞典の体裁を保ちながらも社会を痛快かつアイロニックに評したものであった。

図解 ビジネス版 悪魔の辞典: ビジネス用語の黒い真実
『図解 ビジネス版 悪魔の辞典』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

その大胆さが決め手だったわけだが、『図解 ビジネス版 悪魔の辞典: ビジネス用語の黒い真実』(山田英夫 著、東洋経済新報社)は、その精神を継承したといっていい現代日本版。しかもビジネスパーソンをターゲットとし、「よく聞くけれど意味がよくわからない」ビジネスワードの“本当の意味”を明らかにしているのである。

特筆すべきは、そんな「ビジネス版」が何度も重版され、以後のリニューアル版や文庫、新書へと改訂されていった点である。ビジネスシーンに蔓延する“よくわからないことば”の意味を(できれば人に知られずコッソリと)知りたいという方からのニーズが大きかったということだ。

最新版である本書は、そうしたプロセスを経て誕生することになったわけである。

「ビジネス版悪魔の辞典」転生の裏側

 今回、3度目の出版社として、東洋経済新報社から、「ジャストアイデア(本書76頁)ですが、ビジュアルを増やした図鑑として皆様にお届けしませんか?」とお声がけ戴きました。
 お互いブレスト(本書77頁・類義語)も交えながら、本書の制作がスタートしました。キックオフ(本書154頁)してみると、若いビジネスパーソンが理解できない言葉は、私が面白いと思っても、担当編集者Sさんに総合的に判断(本書129頁・類義語)され、次々とボツにされました。“やさしい悪魔”の希望を叶えようと、何度も推敲を続けていく中、つい熱が入りすぎ、何度も体温計で熱を測った記憶があります。(「はじめに」より)

この文章がそうであるように、肩の力が抜け切ったアプローチがいかにも魅力的。「たしかに聞いたことはあるけれど、たしかに意味がよくわからないことば」と真正面から向き合っているのだから、おもしろくないわけがない。

では、はたしてどのような解説がなされているのか、「ビジネスフレームワーク」と名づけられた章のなかからいくつかを拾ってみよう。

【アジャイル】朝令暮改。

 あなたの上司でこんなことを言う人、いませんか?

「この案件は重要なので、なるべくアジャイルで進めよう」  

 外資系コンサルが「迅速に」という意味で使っているので、気取って言っているなら、心の中でクスクス笑っていればいいですが、本当の意味を知ると、とっても怖い言葉なんです。(11ページより)
次ページアジャイルの本当の意味と、意外な類義語
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事