アジャイルは朝令暮改?MECEの罠とは?今さら聞けないビジネス用語の本当の意味を『ビジネス版 悪魔の辞典』が暴く

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ちなみにアメリカでは、ロジカル・シンキングは小学校で習うことなので、社会に出るまでに身についている。ところが日本にはそうしたカリキュラムがないため、大人になってから「自分はロジカルでない」と気づく人が多いのだとか。

なお、著者が明らかにしている「険悪な雰囲気になる『ロジカル・シンキング』」をご紹介しておこう。

上司 「例の資料の件だけど、霞が関用と本石町用と永田町用に分けて作っておいて」
部下 「何のために3つも作るのですか? For whatが明確でないと…」
上司 「今説明している時間がないので、早く取り掛かって」
部下 「また3つの分け方が、MECEではないですよね? 分類の基準は何ですか?」
上司 「……。」
(21ページより)

険悪な雰囲気どころか、そもそも噛み合っていない。だが実際、こういう行き違いはあるものではないだろうか?

【類義語・対義語】
▶︎【類】クリティカル・シンキング 米国では小学校で習うことを、日本では大学院(ビジネススクール)で習う。
(21ページより)

困ったとき、コッソリ役立てよう

他にも「人事・組織」「ネゴシエーション」「ストラテジー」「マーケティング」など、さまざまなテーマに即して“よくわからないことば”を厳選し、その意味がわかりやすく解説されている。

ビジネスシーンにおいて「よく聞くけれど、よくわからない」ことばに直面する機会は決して少なくない。だが困ったことに、「これ、どういう意味ですかね?」と聞くわけにもいかないだろう。

そこで、いざというときに備えて、本書を引き出しやバッグのなかにコッソリ忍ばせておくことをおすすめしたい。きっと役立ってくれるに違いない。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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