アジャイルは朝令暮改?MECEの罠とは?今さら聞けないビジネス用語の本当の意味を『ビジネス版 悪魔の辞典』が暴く

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「アジャイル」は本来、研究開発の部署などで、“時間がかかる工程をいかに短くするか”を考える際に使うことば。したがって、「アジャイル営業」「アジャイルマーケティング」などはありえない。営業もマーケティングも、時間を短縮すれば売れる世界ではないのだから。

にもかかわらずビジネスの現場では、上記のように行き当たりばったりの上司が、指示をコロコロ変えることを正当化する言い訳に使ったりしているのだ。

【類義語・対義語】
▶︎【類】朝令暮改 信用されていない上司がやると、部下は一斉に離反するが、皆から信用されている上司がやると、「さすが柔軟性がある」となる。
▶︎【類】垂直立ち上げ 事業は斜めに立ち上がるのが常。
▶︎【類】是々非々 (一貫したポリシーがないので)その都度決める。
(11ページより)

【霞が関】地名だと思っていると、致命傷を負いますよ。

ビジネスパーソンが地名を口にするときには、2つのパターンがある。まず1つ目は、本当に地名を伝えたいとき、もう1つは、名指しするのがはばかられるときだ。

 霞が関は中央官庁が集まる街なので、銀行や証券会社の人なら、財務省や金融庁。メーカーの人なら経産省。鉄道や航空会社の人なら国土交通省を指します。業種によって異なりますが、「霞が関」で通じます。
 永田町と聞いて、多くの方は政治をイメージするでしょう。文藝春秋を思い浮かべる人は出版業界の人か、文春砲に撃たれた人でしょうか。
 では、本石町といえば…? 東洋経済新報社、ではなく日銀です。(13ページより)

東京以外でも同じ。修道町といえば、大阪人にとっては製薬会社の本社が集まっているところ。北浜は大阪取引所がある株の街で、東京でいう兜町にあたる。

地名に隠されたビジネス界の「暗黙の了解」

【類義語・対義語】
▶︎【類】永田町(政界)、桜田門(警察)、市谷(防衛省)、兜町(東京証券取引所)、修道町(医薬品)、北浜(大阪取引所)。
▶︎【類】新橋 テレビ取材が入ると、なぜかビジネスパーソンが集まってくる街。背景には、お決まりの蒸気機関車。大阪では、酔っ払いは天神橋筋、昼の取材は大阪駅。
▶︎【類】渋谷 スクランブル交差点を渡るために、無料で招集されるエキストラの街。雨が降ると、ほぼ確実に動員される。
(13ページより)

【MECE】「網羅的かつ排他的」ではなく、「モレなく、ダブりなく」と訳した訳者が、まさにMECE。

MECEは、外資系コンサルタントが課題解決のために提唱し流行らせたものです。(15ページより)

最近では、大学のキャンパスでもよく聞くそうだが、では大学生をMECEに分けるとどうなるだろうか? 2つに分ける方法が簡単だという。

「未成年の学生、成人の学生」(15ページより)

モレもダブりもないのでMECEだが、分けたところで役に立ちそうではない。

「体育会の学生、ゲーム好きの学生、オタクの学生、起業家の学生」(15ページより)

これはモレまくり、ダブりまくり。そもそも、学生の本業である「学ぶことが好きな学生」が入っていない。それにダブりでいえば、体育会の学生にもゲーム好きはいるはずだ。

(『図解 ビジネス版 悪魔の辞典』より)
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