アメリカへの留学生数「韓国は日本の約4倍」という衝撃!減少の一途の日本人の海外留学生数、根底に「日本の企業は”留学経験”を評価しない」

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私の体験よりは若干改善されてはいるものの、大差はない。つまり、いまアメリカに留学すると、60年代に私が経験したようなみじめな生活を強いられることになる。

これを「購買力」という概念で述べれば、つぎのとおりだ。

アメリカの物価・家賃が、当時と比べて20倍、日本の賃金が10倍になった。だから、購買力を当時と同じに保つには、1ドル=180円になればよい。実際には160円程度だから、現在の円の購買力は、1960年代末に比べて、1割程度は高い。

ただ、「1割程度しか高くなっていない」というほうが正確だ。また、ここでは家賃と公務員の給与という2つの価格だけを比較したのだが、もっと広汎な価格データを用いれば、結果は違ってくるだろう。

日本の留学生数は2004年をピークに、その後は減少

日本人の海外留学生(主として、長期留学生)数は、1980年代には1万人台だった。1990年代に急増し、2004年に8万人を突破して、最高になった。

しかし、その後、日本経済の衰退とともに減少し、2009年頃からは、5万〜6万人程度と、2004年頃の63〜75%程度の水準にまで減少している(文部科学省「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について。2024年5月)。

これは、20歳台の人口が減ったためでもある(注)。ただ、それだけでは説明できない。

そして、コロナ禍で4万人台に減少した。2021年には4万1612人で、最も多かった時代の約半分になっている。円安が進むと、減少傾向に拍車がかかるだろう。

(注)2020年の人口ピラミッドを見ると、40歳台後半では1歳当たり人口(男女計)が197万人程度であるのに対して、20歳台後半では128万人程度と、6割5分程度に減少している。本文で述べたように、2004年頃からコロナ直前までの期間の留学生数の減少率は、これよりかなり大きい。

留学問題についてのアメリカの調査・研究機関であるInstitute of InternationalEducationが公表するOpen Doorsという資料に、アメリカへの留学生数の国別の数字がある。

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