仕送りは500万円「リッチ中国人留学生」の実像 高学歴を「安く」「容易に」求める若者たち

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高田馬場駅前を歩くと中国語の看板をいたるところで見かける(写真:筆者撮影)
かつて日本人向けの進学予備校や、学生ローンの看板があふれ“学生の街”だった東京・高田馬場。今や中国人向けの進学予備校や法律事務所、中国料理店の看板に取って代わられ、20代前半の若い中国人であふれている。彼らは中国からの留学生たちだ。
なぜ中国人留学生が急増しているのか、東京大学大学院・開沼博准教授のゼミに籍を置く、中国吉林省出身の卜新哲氏(26歳)がリポートする。

今から10年ほど前まで、コンビニや飲食店のアルバイトとして重宝されてきた中国人留学生。だが、今や彼らの姿を見ることは稀だ。彼らの代わりを担っているのが、主に東南アジア諸国からの留学生たちだ。

私自身、東大大学院に通う留学生として、日頃から多くの中国人留学生たちと接し、彼らの生態や経済状況を見聞きしてきたが、彼らの豊かさは他国からの留学生ばかりか、多くの日本人の学生よりも確実に上だと感じている。筆者はそんなリッチな「新・中国人留学生」の実態を研究テーマの一つとし、これまでフィールドワークや聞き取り調査を行ってきた。今回はその一端を紹介したい。

母国からの仕送りで留学生活を送る

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結論から言えば、現在日本に滞在している中国人留学生は、主に中国の中間層である「小康家庭」以上の出身者たちで、彼らの半数以上はアルバイトをしておらず、母国からの年間500万円程度の仕送りで留学生活を送っている。もはや彼らに「苦学生」のイメージはない。地方出身の日本人大学生の2~3倍の収入を得て、ゆとりのある学業生活を送っているのが現状だ。

高田馬場にある日本語学校に通う中国人留学生の男性は、こんな話をしてくれた。

「年間の日本語学校の授業料は80万円、大学や大学院への進学予備校費用が90万円、生活費は月20万円くらいだけど、たまに20万円じゃ足りないときがある。そんなときはバイトをするか、追加の仕送りを親に頼むかのどちらかです」

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