詩羽、アヴちゃん、幾田りら・・・豪華アーティスト集結の映画【パリピ孔明】 6000人の観客を招待!異色の《音楽バトルフェス》の制作陣を直撃

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――映画には、英子役の上白石萌歌をはじめ、詩羽(水曜日のカンパネラ)、&TEAM、関口メンディー、ELLY、アヴちゃん(女王蜂)、岩田剛典、水森かおり、幾田りらなど、そうそうたるミュージシャン、パフォーマーが参加しています。ジャンルもロックだけでなく、演歌、ラップと幅広く、さらに客席には審査員席があるということで。どことなく紅白歌合戦を彷彿とさせるような祝祭感あふれる映像でしたが、そうした幅広さは狙っていたのでしょうか?

監督 もともとアーティストの方にたくさん出ていただきたいということもあったので、型にはまらないようにとは思っていました。やはり祭典なんで、審査員席には力士っぽい人がいたらいいよねとか、そういうのは押さえつつ。演歌に関しては、クライマックスのとある演出の前振りというところもあるので、水森かおりさんにお願いした、ということはあります。

八尾 ポップスやヒップホップ、演歌以外にも、例えばクラシックのピアニストとして亀井聖矢さんに参加いただいたり、多様な音楽を1つの映画で描くのもテーマのひとつではありました。映画を見て、新しい音楽と出会い、好きな世界が広がれば嬉しいという思いもあります。

ミュージシャンのキャスティングにはドラマのときからずっとこだわってきました。ドラマではマキシマム ザ ホルモンのナヲさんやダイスケはん、東京スカパラダイスオーケストラの谷中さん、RIP SLYMEのRYO-Zさんにも出ていただけました。その延長で今回はRIP SLYMEのILMARIさんにも出ていただきました。普段見られないミュージシャンの別の顔が覗けるドラマになっていたら嬉しいです。

孔明の願いは音楽での天下泰平、広く言えば、エンタメの力で皆に幸せになってほしいということでもあると思います。作中でも描かれるように、音楽は本来ボーダーレスなものだと思います。実際、映画を作るにあたり、ドラマも含めると、ソニー、ワーナー、コロムビア、徳間ジャパン、エイベックスやユニバーサルなど、様々なレーベルに協力いただき成立した作品です。そうしたところも観ていただきたいですね。

主役の月見英子を演じた上白石萌歌

主役の月見英子を演じた上白石萌歌(写真:(C)四葉夕ト・小川亮/講談社(C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会)

――「三国志」をビジネスの側面で読み解く人は多いですが、本作はそれを音楽業界のビジネスを通じて描き出すところがユニークだなと思いました。そうした「三国志」の要素をどのようにして取り入れたのでしょうか?

監督 「三国志」に関しては自分よりも、八尾さんや森山未來さんたちのほうが詳しいです。

八尾 わたしの身内に「三国志」マニアがいて、「三国志」協力としても参加してもらいました。ある意味、私にとっての軍師ですね。台本があがるとまず連絡して、脚本に沿った「三国志」のエピソードや、例え話として何が適しているかを相談します。例えば、ミアを例える格好よくて強そうな武将は誰がいいかとか。さらに現場が始まると、小林オーナー役の森山さんがアイデアを足してくれます。ただ中には、諸説分かれるエピソードもあるので、都度、出典を確認したり、監修作業は必ず行いました。

「三国志」監修は、「三国志」研究の第一人者であり、映画『レッドクリフ』の監修なども手がけた渡邉義浩先生にお願いしました。森山さんのアドリブのお陰で「三国志」要素はより色濃くなり、作品を重層的にしてくれました。一生懸命な熱量でしゃべる小林は「三国志」を知らない人にも面白く見えるし、魅力的に見えます。分かる人にとってはすごく面白いし、分からない人でも、分からないなりに楽しめるというところを目指しました。

――「三国志」ファンから専門家まで、まさに総力を結集してつくりあげたと。

八尾 おかげさまで「三国志」ファンの方には評判がとてもよくて。2023年に「KOBE鉄人三国志ギャラリー」でコラボ企画「パリピ孔明 三国志パネル展」があったんですが、そこではドラマのセリフをくまなく拾って展示してくださって。細部まで届いていることが嬉しかったです。そうしたマニア心は映画でもちゃんと拾いたいなと思いました。

監督 映画も2時間飽きないようにいろいろと仕掛けていますし、1回観ただけではなかなか気付かないところもあるので、何度観ても発見があると思います。やはりフェスのライブシーンに入ったら、あっという間。体感時間もけっこう短く感じてもらえるんじゃないかなと思います。まさしく天下泰平です。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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