日本の刑務所満期出所者が5年以内に再犯し、再入所する確率は約50%。その高い割合の背景には、再入所者の7割が無職という事実が示すように、社会復帰において重要な「就労」が困難な問題が横たわっている。
このテーマを取り上げた映画には、役所広司主演『すばらしき世界』(西川美和監督/2020年)が記憶に新しい。一方、ドキュメンタリー的に元受刑者を取り巻く生活環境を描く本作は、視点とテーマの切り取り方が異なる。元受刑者の足元の生活のひりつくような現実を圧倒的なリアリティーで映し出す。
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