「強い職場」に共通する30代の活かし方[第1回]--だからあなたの会社は変わらない
管理職はなかなか変われない
一人ひとりの意識が変われば組織は活性化するのだが、一人の意識を変えることすら難しいのが現実である。まず管理職について考えてみたい。管理職に就いている人は、何らかの成功体験や失敗経験をしてきている人が多い。過去において、多くの困難を乗り越えてくる中で、自分なりの考えが凝り固まっている。
今まで、人材育成に携わる中で、多くの管理職の人にお会いしてきた。若手社員や中堅社員と比較して、圧倒的に違うのは、自分の考えに固執して、自分の考えを変えようとしないところだろう。人材育成プログラムを受講して、「部下の話を聞かねばならない」と感じても、凝り固まっているスタイルはそう簡単には変わらない。
管理職が変われば組織は変わる。確かにそのとおりである。もちろん、自分の考えを柔軟に変えることができる人もいる。あくまでも比較論であるものの、若手社員や中堅社員と比べて、管理職は変わりにくいのが現実だ。結局、管理職の意識を変えようとしても、そう簡単には変わらないのだ。
組織活性化のカギを握るのは30代
一方で20代を中心とする若手社員は変わりやすい時期であるものの、逆に多くのことに影響を受けすぎる時期でもある。大きな仕事を成し遂げた経験や失敗経験も少ないため、学んだことを吸収することはできても、その学びを自分の信念として、自分に落とし込むことは難しい。また、学んだことをもとに、現場で行動をしても、組織に対する影響力は限定される。組織を動かし、活性化する存在になるには、まだ力不足と言わざるをえないだろう。
組織活性化のための人材育成を考えたとき、そのカギは30代にあると考えている。実際に、人材育成の現場に立ち、最も育成効果が高いと感じられる年代が30歳前後~40歳前にかけての社員なのだ。