「強い職場」に共通する30代の活かし方[第1回]--だからあなたの会社は変わらない
組織活性化の失敗パターン
組織を活性化しようとするときに、まず実施することが多いのが、組織活性化のための仕組みづくりである。たとえば、「ワイガヤ」と称した他部署の人とのコミュニケーションの機会や、部内での対話集会のような機会づくりだ。このような機会を活かして、コミュニケーションが行われる。
まず、お互いを知るという点においては、有効であろう。しかしながら、このような場から新しいアイデアが生まれ、実行に移されることはなかなか少ない。なぜならば、このような機会に対する参加意識が、受け身であることが多いからだ。
「やらされ感」で「ワイガヤ」の場に参加しても、新しい価値を生み出そうという意識が根底になければ、仕組みが機能しないのだ。意識なき仕組みは形骸化してしまうことによって失敗に終わることが多い。
次によくあるのが、部門ごとの対立を解消するために部門間の会議や情報連絡会が開催されることである。こちらも、情報が共有されるようになったからといって、部門間の壁が解消されることはほとんどない。問題の本質は情報が共有されていないことではなく、意識が共有されていないことにあるからだ。
逆に、情報を共有する場を設けなくとも、お互いの意識がつながっていれば、必要に応じて、情報を共有しにいくものである。「つながり」が大事だというが、そのつながりが、表面的な情報によるつながりではなく、人と人の意識がつながっていることで、初めて一緒に仕事をする仲間としてのつながりになる。
意識がつながるためには、お互いに大事にしている価値観を共有することや、仕事を通じてやりたいことなどの気持ちを共有することが有効であることが多い。いずれにせよ、表面的な情報を共有するだけでは、組織活性化につながらず、失敗に終わることが多い。