子どもが学校に行かなくなったときの対処法は? 頭痛・自傷・いじめ・・・「5つのケース」を児童精神科医が解説

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●本人の力では明らかに乗り越えられない問題が学校にある場合

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「クラスメートからいじめられている」「担任から理解されず、強く長期間叱咤されている」などのケースです。学校に相談して円満に解決すればよいのですが、そうもいかないことが多いようです。

私は「毒になるくらいなら、学校へ行く必要はない」と思っています。少なくとも「その学年は休ませる」気でいたほうがいいです。最終的に子どもを守ってあげられるのは家族、保護者しかいないのですから。

●自分を傷つけている、暴れている、意味不明な発言をしたり行動をとったりしている場合

何らかの精神疾患に陥っている可能性があります。すみやかに受診したほうがよいでしょう。

●体調不良やいじめなどの問題はなく「行こうと思っているけど、朝になると足が学校に向かない」という典型的な不登校の場合

まず、本人が動揺している時期がきます。この時期は本人がかなり困惑しているため、いろいろと介入をしても反発されることが多い時期です。次に、落ち着いて家にいられる時期がきます。この時期は家でゲームをしたり動画を観たりと、好きなことならできるため、家族はやきもきしてしまいます。

回復期がくるまでには何年もかかることが多い

そして多くは、数年後に回復期がきます。例えば、中学生なら3年生になるころに新しいスタイルの高校を見つけ、そこに向かって少しずつ進めるようになります。しかし、この回復期がくるまでには何年もかかることが多く、ご家族や保護者の方にとっては、長くてつらい時期になることも多いです。そのため、家族以外で一緒に子どもを支援する人や社会支援が必要でしょう。

発達障害の子が訪問看護を受けられる場合も増えてきました。子どもが発達障害と診断されており、なおかつ、かかりつけ医に訪問看護が必要と診断されれば、医療保険内で訪問看護を受けられます。自治体の事業として、大学生が家にきてくれるメンタルフレンドなどの制度もあります。また家庭教師や福祉分野でも、放課後等デイサービスの対応が可能なこともあります。

ただし、本人が強く拒否している場合は「まだ難しい」と思ったほうがよいでしょう。

てんねんDr. 児童精神科医

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Tennen Dr.

児童精神科医。某医療機関の院長。精神保健指定医。日本精神神経学会専門医。一般社団法人日本児童青年精神医学会認定医。大学や児童相談所など含め20年以上、子どもの発達障害やこころ分野の診療に携わる。他の医療機関や学校、福祉など地域との連携も積極的に実施。Xでは児童精神科医として情報を発信しており、Xフォロワーは7万人を超える。
 

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