紫外線もきっかけの1つ!?”唇ピリピリ”口唇ヘルペスの思わぬ要因と予防のポイントとは?「命に関わることもある」と医師が注意喚起

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

●口唇ヘルペス再発予防と生活習慣

再発の予防には、科学的根拠に基づいた生活習慣の見直しが有効です。

先に挙げたとおり、まず紫外線が再発の引き金になるので、予防策を講じることは非常に有意義です。その1つとして効果が高いのが、日焼け止め成分を含むリップクリームの使用です。

日光に敏感な人では、SPF30以上の日焼け止めリップクリームを使うことで、紫外線による再発を75%抑えられるという報告があります。別の研究では、直射日光が強い日には帽子や日傘、サングラスなどを使って顔全体を守ることも、再発リスクを軽減するうえで効果的とされています。

また、十分な睡眠やストレス管理によって、免疫を抑えるコルチゾールというホルモンの分泌を減らすこともできます。これによって免疫が低下するのを防げます。

さらに、魚や豆類などリジンというアミノ酸を多く含む食品は、ウイルスの増殖に必要な栄養分を抑えることで 、再発の頻度を下げるという説もあります。

うまく付き合っていくことが大事

一部の調査では、冬から春先にかけての乾燥した季節や、風邪が流行する時期にも発症する人がやや増加するという傾向があり、気候の変化などがウイルスの再活性化に関わっているとされます。

口唇ヘルペスは私たちが微生物と共存していることを象徴する病気の1つです。完全な根治は難しくても、その仕組みや特徴を理解し、予防策と正しい治療法を行うことで、このウイルスとうまく付き合っていくのがよいでしょう。

谷本 哲也 内科医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たにもと てつや / Tetsuya Tanimoto

1972年、石川県生まれ。鳥取県育ち。1997年、九州大学医学部卒業。医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック理事長・社会福祉法人尚徳福祉会理事・NPO法人医療ガバナンス研究所研究員。診療業務のほか、『ニューイングランド・ジャーナル(NEJM)』や『ランセット』、『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』などでの発表にも取り組む。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事