紫外線もきっかけの1つ!?”唇ピリピリ”口唇ヘルペスの思わぬ要因と予防のポイントとは?「命に関わることもある」と医師が注意喚起

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●口唇ヘルペスがリスクになる人

健康な方にとって、口唇ヘルペスは一時的な症状にすぎませんが、抗がん剤治療中の方など、免疫が低下している方にとっては、重症化するリスクがあります。

とくに眼に感染が広がる「ヘルペス性角膜炎」は失明の原因にもなりますし、脳に感染が及ぶ「ヘルペス脳炎」は治療をしても致死率が20%に達することがあります。

また、新生児が感染して新生児ヘルペスを発症した場合は、治療を受けなければ死亡率が60%にも上るとされており、出産直後の赤ちゃんが身近にいる場合はとくに気を付けなければなりません。

早期治療で治癒までの時間が短縮

●口唇ヘルペスの治療

治療は、抗ウイルス薬の飲み薬と生活上の工夫を組み合わせることが一般的です。

専用の抗ウイルス薬には、ウイルスの増殖を止める作用があります。症状が表れ始めた直後(前駆期)に薬を飲み始めると、治癒までの期間を1~2日短縮でき、水ぶくれの発生自体も半分程度に抑えられることが報告されています。

1年間に3回以上の再発を繰り返す方は、あらかじめ医師から抗ウイルス薬を処方してもらって、症状が出たら自分の判断ですぐ飲めるようにしておくことも可能です。口唇ヘルペスになりやすい方は医療機関で相談してみるとよいでしょう。

感染を広げないことも重要な課題です。

水ぶくれの中にはたくさんのウイルスが存在しているので、この時期は感染力が最も高まり、キス1回で感染する確率は約30%、食器の共有でも約15%になるとされています。

また研究では、目に見える水ぶくれがなくても、感染者の一部で気づかないうちにウイルスが皮膚の表面から排出されて、他の人にうつることがわかっています。感染の70%は、このような見えない排出によって起きているのです。

したがって、口唇ヘルペスが発生した場合は、しばらく接触や食器の共有などを控え、手洗いを厳重にするなどの対策がおすすめです。

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