「熱中症だけじゃない!」暑さで増える“意外な病気”のリスク。全国規模の膨大な入院患者のデータをもとに東京科学大が研究

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暑さに参っている女性
暑さが引き起こす熱中症以外の病気のリスクとは?(写真:小日向 みう / PIXTA)
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「気温が上昇すると、ほぼ全ての疾病リスクが高まる」。東京科学大学の藤原武男教授(公衆衛生学)はこう指摘する。

昨年の日本の年平均気温は、過去最高だった2023年を大きく上回り、統計開始以降最も高くなった。今夏は昨年、一昨年ほどではないが、それでも平年と比べ気温が高くなるという(気象庁)。今年はすでに3月、一部地域で真夏日(最高気温30度以上)の日があった。

気温が上昇すると、まず気をつけなければならないのが熱中症だ。政府は4月23日から「熱中症警戒アラート」の情報提供を開始した(10月22日まで)。しかし、藤原教授によると、熱中症以外にも、暑さは数えきれないほどの病気のリスクを高めるという。

暑さが疾病リスクを高める2つの理由とは?

その理由として藤原教授は、気温上昇と疾病の間には、大まかに言って「脱水」と「免疫の異常」の2つのパス(経路)があると説明する。

まず「脱水」については、「気温が高くなると、どんなにエアコンが効いていても、人間は脱水状態になる。そうなると身体のさまざまな機能が損なわれ、恒常性(体内の状態を一定に保とうとする傾向)が崩れていくので、大まかにいうと病気になりやすい」と解説。

もう一つの「免疫の異常」については、「気候変動で大気汚染が進み、有害物質を取り込むことによって体の免疫(障害)や炎症反応が惹起(じゃっき)されてしまう」ことに要因があるという。

この2つの経路を通じ「ほとんどの病気が生じ、病名で分類すれば、何千種類にも上るだろう」と語る。

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