〈ミャンマー大地震〉日本で祈りと団結の「水かけ祭り」。被災者を思い、歌と踊りを封印して

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「水かけ祭り」に集まった在日ミャンマー人たち。被災者に祈りを捧げた(撮影:筆者)
4月12日から13日の2日間にかけて、東京都品川区の潮風公園で、ミャンマーの正月を祝う伝統行事「水かけ祭り(ティンジャン)」が行われた。いつもとは異なり会場では静かな祈りが捧げられ、被災地に思いを寄せる人々の姿があった。

今年の水かけ祭りは、3月28日にミャンマー中部で発生した大地震の影響を大きく受ける形となった。多数の死傷者を出したこの災害への追悼の意を込め、例年のような歌や踊りのパフォーマンスはすべて中止された。

「何日も前から練習して準備していたので本当に残念です。でも、今回はやむを得ません」

そう語ったのは、ダンサーとして活動するキンモモさん。イベントの中止に対する無念さをにじませながらも、被災者への思いを優先する姿勢を見せた。

ミャンマーの大地震を受け、すべての歌や舞踏を中止して行われた。

深刻な地震被害、死者は4000人を超える

地震の被害は広範囲に及び、ミャンマー第2の都市マンダレーのほか、サガイン、パゴー各管区、シャン州などで深刻な被害が出ている。死者はすでに4000人を超え、負傷者は7000人以上に達しているという。

イベント会場では、地震が発生した時刻に合わせて、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教などそれぞれの形式で追悼の儀式が行われた。訪れた100人以上の人々が、宗教の垣根を越えて静かに祈りを捧げた。

イベントを運営する委員のスェイセツエイさん(32)は、「ミャンマーではクーデター以降、混乱が続いています。国内避難民が450万人を超えるとも言われるなか、今回の地震でさらに困難な状況に直面しています」と現地の窮状を語った。

さらに「軍が直接支配していない地域には、国際機関の支援すら届かないのが現状です。私たちは、本当に困っている人々に確実に支援が届く方法を模索しています」と強調した。

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